お先生:みなさま、師走の忙しさの中、如何お過ごしでしょうか?低予算で各テレビ局が嘆く中、今年も大粒小粒のドラマが制作放映されました。
そこで、今までとはちょっと違った嗜好で、一年を振り返るとともに、独断と偏見で我らが選んだ番組・俳優に各部門賞を捧げてみようと思います。
発表される各部門は以下の通り。
最優秀作品賞
最優秀主演男優賞、同女優賞、
最優秀助演男優賞、同女優賞、
ラズベリー賞、お先生特別賞、お齋藤さま特別賞
お先生とお齋藤さまの意見が異なった場合は、別々に賞を与えたいと思いますが、
さて、栄冠はどのドラマに?!
まずは今年一年、放送されたドラマのラインナップです。
1月期
月21時(フジ)
■ヴォイス 瑛太、生田斗真、石原さとみ、矢田亜希子、
火21時(フジ)
■メイちゃんの執事 水嶋ヒロ、榮倉奈々 火22時(日テレ)
■神の雫 亀梨和也、田辺誠一、仲里依紗 火22時
フジ
■トライアングル 江口洋介、稲垣吾郎、広末涼子、相武紗季、堺雅人、谷原章介
21時(日テレ)
■キイナ−不可能犯罪捜査官− 菅野美穂、平岡祐太 木22時(フジ)
■ありふれた奇跡 仲間由紀恵、加瀬亮 金22時(TBS)
■ラブ・シャッフル 玉木宏、香里奈、松田翔太、貫地谷しほり、吉高由里子、DAIGO、小島聖、
金22時(テレ朝)
■歌のおにいさん 大野智
土20時(TBS)
■RESCUE―特別高度救助隊― 中丸雄一、増田貴久、山本裕典
土21時(日テレ)
■銭ゲバ 松山ケンイチ、ミムラ、宮川大輔、奥貫薫、光石研、りょう、椎名桔平
土23時(フジ)
■赤い糸 溝端淳平
日21時(TBS)
■本日も晴れ。異状なし 坂口憲二、松下奈緒、青山倫子、前田美波里
4月期
月20時(TBS)
■ハンチョウ〜神南署安積班〜 佐々木蔵之介 21時(フジ)
■ 婚活 中居正広、上戸彩
火21時(フジ)
■アタシんちの男子 堀北真希
22時 (フジ)
■白い春 阿部寛、ぽにょ娘
水
21時 (テレ朝)
■臨場内野聖陽、松下由樹
22時 (日テレ)
■アイシテル〜海容〜 稲森いずみ 、板谷由夏 木
21時(テレ朝)
■夜光の階段 藤木直人
22時 (フジ)
■BOSS 天海祐希 、竹野内豊
金22時 (TBS)
■スマイル 松本潤、新垣結衣、中井貴一 23時15( テレ朝)
■名探偵の掟 松田翔太
12時12(テレ東)
■湯けむりスナイパー」 遠藤憲一、伊藤裕子、松田美由紀
土20時(TBS)
■ゴッドハンド輝 平岡祐太、渡部篤郎 21時(日テレ)
■ザ・クイズショウ 櫻井
23時25(フジ)
■帰ってこさせられた33分探偵(3/28〜)堂本剛 23時10 (フジ)
■魔女裁判(4/25〜) 生田斗真、加藤あい 21時(TBS)
■ ぼくの妹 オダギリジョー、長澤まさみ
8月期
月曜21時(フジ)
■ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜 山下智久/北川景子/貫地谷しほり/伊藤英明
火曜21時(フジ)
■救命病棟24時 江口洋介、松嶋菜々子、木村多江、ユースケ・サンタマリア
22時(フジ)
■恋して悪魔〜ヴァンパイアボーイ〜 中山優馬、加藤ローサ
水曜21時(TBS)
■となりの芝生 瀬戸朝香、泉ピン子、大倉孝二 21時(テレ朝)
■新・警視庁捜査一課9係 帽子(渡瀬さん)、ダディ、みっちゃん、吹越、イノッチ、黒谷友香
22時(日テレ)
■赤鼻のセンセイ 大泉洋、香椎由宇、神木隆之介、まえだまえだ、上川隆也
24時(TBS)
■帝王 塚本高史、袴田吉彦
木曜20時(NHK)
■ふたつのスピカ 桜庭ななみ、中村優一、大東俊介、田辺誠一
20時
■科捜研の女(テレ朝) いつものメンバー 21時(テレ朝)
■ダンディ・ダディ〜恋愛小説家・伊崎龍之介 舘ひろし、南沢奈央、平山あや
22時(フジ)
■任侠ヘルパー 草なぎ剛、黒木メイサ 21時(日テレ)
■猿ロック 市原隼人、芦名星、高岡蒼甫
金曜21時(テレ朝)
■コールセンターの恋人 小泉孝太郎、ミムラ、松重豊 22時(TBS)
■オルトロスの犬 タッキー、錦戸亮、水川あさみ 23時(テレ朝)
■メイド刑事 福田沙紀、原田龍二
23時(テレ東)
■怨み屋本舗
土曜20時(TBS)
■こちら葛飾区亀有公園前派出所 香取慎吾、香里奈、速水もこみち
21時(NHK)
■再生の町 筒井道隆、牧瀬里穂、近藤正臣、岸部一徳 21時(日テレ)
■華麗なるスパイ 長瀬智也、深田恭子 23時(フジ)
■オトメン(乙男) 岡田将生、夏帆 日曜21時(TBS)
■官僚たちの夏 佐藤浩市/堺雅人/高橋克実/佐野史郎/西村雅彦/杉本哲太/吹石一恵/高橋克典/船越英一郎/北大路欣也
10月期
■月21時(フジ)
東京DOGS 小栗旬、水嶋ヒロ、吉高由里子 火 21時(フジ)
■ライアーゲーム シーズン2 戸田恵梨香、松田翔太、吉瀬美智子
火 22時(フジ)
■リアル・クローズ 香里奈、黒木瞳、高岡蒼甫 水 21時(TBS)
■浅見光彦 セクスィー部長沢村一樹、教官風間杜夫、佐久間良子、原沙知絵
水 21時(テレ朝)
■相棒 水谷、ミッチー、トリオThe捜一、官房長
水 22時(日テレ)
■ギネ 藤原紀香、上地ゆうすけ、松下由紀
木 21時(テレ朝)
■交渉人2 米倉、筧、笹野、陣内
木 22時(NHK)
■ROMES 空港防御システム 大倉忠義、安田章大、国仲涼子
木 23時58分(日テレ)
■傍聴マニア09 向井理、南明奈、六角精児 木 22時(フジ)
■不毛地帯 唐沢、和久井、柳葉、小雪、天海、竹野内、阿部サダ、ニン、一徳、段田、敦夫、橋爪功、原田芳雄ちゃん、古田新太、松重、蔵、エンケン、多部、梶
原善、袴田、中丸、斉木しげる
金 21時(テレ朝)
■アンタッチャブル 仲間由起恵 金 23時15分(テレ朝)
■マイガール 相葉雅紀、優香
土 21時(NHK)
■チャレンジド 佐々木蔵之介、富田靖子、西郷輝彦 土 21時(NHK)
■外事警察 渡部篤郎、石田ゆり子、エンケン、余さん、石橋凌
日 20時(NHK)
■坂の上の雲 阿部寛、本木雅弘、菅野美穂、香川照之 日 21時(TBS)
■JIN−仁− 大沢たかお、内野聖陽、綾瀬はるか、中谷美紀
おおー、なんていうか壮観だねぇ。もう1月期のドラマの記憶が幻のようです。お齋藤さまの感想は如何ですか?
お齋藤さま:どうも皆様、こんにちは。師走も半ばを過ぎ、お齋藤も慌ただしく毎日を過ごしております。いや、しかしこうして列挙されると月日の感覚ってわからないものですね。去年のものだと思っていたものが今年だったりその逆もあったり…そりゃあ2000年から10年も過ぎるわなぁ。
先:だよねぇ。1年って盛り沢山なんだね、意外と。『トライアングル』なんて去年の秋だと思ってたし。
それでは、さっそくお互いの優秀賞5作を古い順に発表していきましょうか。
まず、わたくしが選びましたドラマは、フジ『ありふれた奇跡』です。
はい、いきなり爆弾なんで驚いた方も多いかと思います。なんてったって、余りにも衝撃なその内容に、1月期のドラマについて語った時には、散々言いましたもん
ね。お齋藤さまも驚いたでしょう?
齋:えぇ、お蔭で未だにピザを考える度に「ピッツァ」と脳内変換されますわ。当初は何だか観る気がなかったけれど、よもやシリアスドラマで岸部一徳様の女装が
拝めるたぁ…!内容もしみじみして良かったですよね、御大の力量をまざまざと見せつけられた感じ。
先:そうなのよねぇ。今年の流行語大賞は「ピッツア」が選ばれても言いくらい、心の中で反芻された言葉なんですが、私もああいう気持ちでドラマを観たのは初め てのような気がします。なんせその前クールに放送された倉本脚本の『風のガーデン』はまったく受け付けなかったので、山田太一先生作品をどう片付けようと戸惑ったのですが、火曜の22時ってのは、今の『リアルクローズ』も含め、どうしてもテレビを観てしまうらしく、まったく邪魔がないまま、自然と初回を観てしまい、そのまま続きが気になり見続けてしまったのですよ。
最初は出演者全員がぎこちなかった独特の台詞回しも、役者一人一人が誠実に演じようとしているうちに段々自然になり物語に引き込まれるようになりました。一度は自殺を試みたた人々が互いに出会うことによって、「自殺できなかった人々」ではなく、「自分で生を選んで生きている人々」に変わっていくという、難しい問題を扱いながらも、全体的に、「自然」という表現が一番しっくりくるドラマでした。
その過程で恋人同士になった仲間由紀恵と加瀬亮が家族にも言うことができなかった傷をどう克服していくのか、真実を受け止められない家族はどういった結末を選ぶのか、その過程がすべて自然だったと思います。
普通は自殺の原因とかトラウマとか、マイノリティーの我々には納得できないものが多かったり、取って付けた様なやつで、あぁやっぱりね的な感想しかないものが多い中で、この二人に陣内孝則を加えた三人の自殺しようとした原因やトラウマは目新しいものではなかったのに、自然と受け入れられるくらい登場人物の悲しみが伝わってきました。あとはとにかく皆に対して「なんとか幸せになって欲しい」と、自殺願望がある人に対して往々にして軽く口に出してしまう言葉とはまったく違う感情で素直にそう思わせてくれた、とでも言いましょうか。
さ、お齋藤さまの優秀賞は?
齋:うーん、わたくしはまず挙げるならばフジ『BOSS』ですかね。考えてみると今クールを除いて今年は毎週「どうなるか気になる!」と思えて、なおかつ最後まで
腹がたたなかったドラマって個人的に少なかったんですよね。(あ、別に『トライアングル』のことを言ってるんじゃありませんよ)正直、開始前にブログを書いたときはそんなに観ないだろうと思っていたんですが、想定外に毎週引き込まれてしまいました。『ありふれた…』が心に染みる優秀作品ならばこちらは娯楽的な優秀作品じゃないでしょうか。
先:確かに、娯楽作品として楽しめたわ。しかし、それぞれのキャラはみんな立ってたのに一つ一つの事件?はぜーんぜん覚えていない!
お齋藤さまはやはり竹野内豊と玉山鉄二のヒゲコンビですか??
齋:そうっすね〜、玉山は丁度映画『ハゲタカ』の時期にかぶっていたけど、ビジュアル的にこっちがよかったな。(思えば脚本家も同じだ)竹野内はしょうがないよ、あの声で「お疲れsamantha thavasa」言われた日にゃ、駄洒落もつっこめませんわっ(はぁと)。事件は…初回の犯人だった金八を別のエピソードで出したのが印象に残ってるかな。あとニッカポッカの丸山智己さん!
では今度はわたくしから二作品めをば。先に述べたように正攻法の優秀作品がなかなかなかったのですが、思いもよらず心に残ったテレ朝『夜光の階段』にします!…すみません、早々に真面目な話を壊してしまって…。いや、こいつは驚いたよ。松本清張生誕100年にちなみ、米倉涼子×清張で当てたテレビ朝日が新たなドジョウを開拓したかと思いきや…なんと素敵なネタドラマが出来上がっているんですもの。最初はナレーションの津嘉山正種さんのお声が心配(ご病気で若干こもった感じだった)だったのですが、そのうちその心配が掻き消されるくらいの超展開にすっかり夢中?に。何だろう、皆真面目にサスペンスを演じているのに着地点が違うというか。うーん。お先生、何て言えばいいでしょうか。あの『嫉妬の香り』のときとよく似た感情なんです。
先:ほぉ〜、我らのネタドラマ、『嫉妬の香り』とな。じゃあ、単純に深夜向き何じゃん?しかし、私はチラッとも観ていないので、なんか凄かったんだね、ってこ とくらいしか解りません。どこが良かったの?
齋:えっと、
・美貌の美容師佐山こと藤木直人がちょっとトウがたっている
・今更カリスマ美容師かよ!
・藤木が歌うラテンな主題歌&それをバックに社交ダンスを踊るプロダンサーペア
・極めつけは佐山の殺し文句「(囁くように)殺してやる…」←本当に殺すし。
…あー、ダメ。列挙してるだけでこんなに感情が昂るなんて!しかし藤木と木村佳乃のラブシーンが壊滅的に色気ないし、何だかせっかくの夏川結衣さんがグズグズだし、荻野目慶子さまもいまいち弾けてくれなかったなぁ。ただ、そんなところにはまったのか気づいたら最終回を待ち兼ねる体に…やっぱり藤木は魔性なのかしら?
先:う、うーん。じゃあ、CDも買ってあげないとね♪
さて、私の次なる優秀賞はNHK『ふたつのスピカ』です。これはさー、漫画原作を読んでいる人にとっては、ライオンさんが出てないなんて意味がない!って発言もあったんですけど、完全に別物と考えて、やはり良いドラマだったと思います。やっぱり作ってる人と演じてる人の誠実さが伝わってきたのよねぇ。私はもう漫画が最終回を迎えると知っていたので、敢えて原作は取って置いたのですが、それが良かったなぁ。素直に浸ることが出来た。とにかく、宇宙飛行士コースのみんなが頑張っていた。『白線流し』を観ていない私にとっては、このドラマで「青春っていいなぁ。私ももっと勉強とか頑張ればよかったなぁ……」と思ってしまったわ。
齋:櫻庭ななみちゃんて声も可愛いし、溌剌としていて好感が持てたね。アニメ映画『サマー・ウォーズ』の声優も良かったし。我らが田辺誠一も宇宙学校の先生だわ、キャスティングもよかった。しかし未だに本上まなみはどうかと思う…。余談ですがアスミのような星マニアの友人が欲しいなぁ。そしてとっくり語ってもらい たいっす!
先:それは、前にお齋藤さまが「星に詳しい彼氏がいいな♪」って言ってたやつですね??「彼氏」を「友人」に置き換えて、誤魔化すんじゃない!
それはさて置き、『サマー・ウォーズ』本当に面白かったね。あれ、一人で観に行った映画ですけど、大変面白く、お齋藤に薦めたのでした。
『ふたつのスピカ』は、メカニックの父の所為と言われるロケット事故で母を亡くすという複雑な事情を抱えた少女・アスミが宇宙飛行士を目指し、新設された宇宙学校の飛行士コースに入学。仲間たちと切磋琢磨しながら、様々な苦難を乗り越えて宇宙飛行士として選ばれ、成長していくというドラマです。漫画の素朴さを損なわないようなドラマ作りで、殆ど名前の知られていない若手の俳優たちが一生懸命演じている姿が宇宙飛行士を目指す学生の姿と重なります。BSで再放送などもあるので是非、ご覧下さい。原作漫画も本当に素晴らしい!
さて、お齋藤さまの優秀賞は4作のみで、残りの2作品は私と重複しているので、後ほど一緒に語るとします。
さて、私の次なる優秀賞は……、『任侠ヘルパー』です!
最初タイトルを聞いた時は、ふざけているのかと思ったのですが、内容はもろ硬派。とにかく、ドラマの前に色々と問題があった草なぎ剛が格好良かった!そして黒木メイサも格好良かった!当たり役だったのでは?と思います。ストーリーはある任侠団体の幹部の椅子を狙って、各地区の貸元がヘルパーの研修にやってくる。その研修態度を見て、幹部を誰にするかを決める、というものですが、一番最初に観た貸元たちの姿は「??」っていうくらいイメージとかけ離れたもので、チーマー風の茶髪の兄ちゃんだったりで、凄みのあるオジサンは一人も出てこない。一瞬、なんだこりゃ、失敗か?と思って諦めかけたけど、つよぽんの今までに見たことのない任侠風の顔つき?で一気にメロメロに。なんだあれは?
いや、前からつよぽん好きでしたよ、演技が。でも、格好いい!なんて思ったことはありませんでした。毎回筋の通らぬ四の五の抜かす大人たちに怒るつよぽん。その顔つきがとにかく格好良かった!たまにストーリーが破綻?したり、最終回なんて特に何を狙ってるのか判らない立てこもり、とか謎のシーンもありましたが、出演者がみんな嫌味なく熱くて良かったです。つよぽんと夏川結衣のプラトニックな恋愛も良かった。夏川結衣は途中から若年性アルツハイマーを発症して、すべてを忘れてしまうことに恐怖感を抱くのですが、そこに事ある毎に衝突していたつよぽんが絡み、なんとも言えない関係を築くんですわ。まぁ、ここでこのドラマのキーパーソン?の彼が登場するのです。それは与六こと加藤清史郎くん。絶妙な活躍。いじめられてた与六がつよぽんを「あにきぃ〜」と慕って付きまとうのですが、最初はウザったく思っていたつよぽんも意外と苦労人の与六に心を開き?というか、これも仲良さそうに見えて、馴れ馴れしくしないんだよねぇ。
やっぱり、登場人物皆が熱いけど、ベタベタ・馴れ馴れしくない、ところが良かったと思います。
それでは次、云ってみましょう。
齋:では我々がかぶった2作品について語るとしましょうか。奇しくも両作品とも今期の作品なのですが。まずは前回熱く(暑く?)語りまくった『外事警察』!い
や、すごいなんてもんじゃない。あれからも勢いは衰えることなく面白いんだもん!最後の最後までわからない、目が離せないです。しかもなにげなく『ハゲタカ』で出ていた「三葉銀行」が使われたり、余貴美子官房長官に接触する海外のセキュリティ会社の人が鷲津の外資時代の上司(この人、『官僚たちの夏』でも海外の会社の偉いさんだったな)だわ、嶋田久作が出ていたり、何てところで心を乱しやがるの!!年明けに『ハゲタカ』共々ハイビジョンで一挙再放送するらしいので、最初から観たい方はそちらもご利用してはいかがですっか?
先:最終回も本当に面白かったね。最後の最後まで!一応一挙再放送もあるか
ら、ネタバレしない方がいいのかな?でも、期待の片岡礼子さまがさすがでた。
渡部も石田ゆり子も石橋凌や尾野真千子、平、みんなみーんな、今までベストだった気がする。これどれくらいお金かかったのかなぁ。『ROMES』があまりにもだったのに、なぜこんなに良いドラマが出来たのか?Pの力?若者のドラマでも『ふたつのスピカ』みたいな良質のドラマが出来るのに……。何故?
齋:うーん、やはりチームの違いといえばそれまで?ただ、わたくしの中で『ROMES』と『東京Dogs』は同じ括りだったな、と。『外事』もそうだけどやはり絵空事をやる上では芸達者な面子にやってもらえればいいと。そういう意味では『ROMES』チームは若すぎたかな。(『東京Dogs』はフジだからもうそういうもんだと思っているので結構です)ま、逆に自分がまだ中高生くらいならば身を入れて観られたかも、とも思います。
…てことでラスト!久々のTBSの当たりドラマ『仁-JIN』ですが。これもよかった!これぞ正に先ほど述べた「絵空事も演者の力量次第」の最たるものだと思います。…しかし最終回終わっても引っ張るよね…。ケイゾク思い出した。
先:確かに、これぞ演者の力量次第だね。『仁−JIN』は昨日最終回でしたが、本当によく出来たドラマでした。一言で「感動した!」。観ている最中にこの感覚は『Dr.コトー診療所』に近いと感じました。医療ドラマってのもそうだけど、雰囲気が本当に似ている。脇役が良いのも似ている。地域と関わって云々とか。
しかし、内野の竜馬は大河ドラマを見る必要がないくらいは凄かったんだけど、脇の女性二人、中谷美紀と綾瀬はるかが本当に良かった。昨日の侍が押しかけて来たところなんて、完全に綾瀬はるか次第だったし、あそこが微妙だと、すっかりピンボケになってしまうような重要なシーンを一人、「私、武家の娘です!」って自己主張で演じきったところか天晴れ!でした。大沢は味、内野・中谷は技で、綾瀬は自然・天然?と思っていたけど、あの演技力も自然とか天然とかの賜物なんだろうか。「ホタルノヒカリ」も意外と良かったみたいだけど、これからも役に恵まれるといいなぁ。
齋:綾瀬と中谷の対比もよかったよね。それぞれの立場で仁を、周囲の人たちを思いやりつつ一本芯は通っていて。中谷美紀、『白洲次郎』もそうだったけど声色を自在に使い分けられてすごいと思う。勿論声だけでなく、現代で仁の婚約者のミキと花魁の野風、 別人なのにやっぱり重なる部分とか絶妙に演じてたし。しかし本当、この記憶が新しいうちに始まる大河、ちと気の毒だね…どうせ大河やっているうちに続編やるんだろうし。
先:そうねぇ。まぁ再来年くらいなんじゃない?結構撮影大変だし、豪華出演陣だし。
ということで、以上7作品の中で最優秀賞の栄冠はどのドラマに??
その発表をする前に、独断と偏見で助演男女優賞、主演男女優賞をそれぞれ勝手に発表したいと思います。
まず、お先生が選んだ助演男女優賞は……
助演男優賞は、内野聖陽さんです!!(『仁−JIN−』坂本竜馬役)
そして
助演女優賞は、中谷美紀さん(『仁−JIN−』野風花魁役・『白州次郎』白州正子役)、と黒木メイサさん(『任侠ヘルパー』四方木りこ役)です!!
齋:あれ…ちょっとかぶるな。お齋藤的助演男優賞は…遠藤憲一さんです!該当作品は多数、そして若干卑怯ですが『湯けむりスナイパー』へのお小遣い、出ていない
くせに『仁−JIN−』のヴェルヴェット・ヴォイスなナレーション…気がつけばいつもそこにエンケンがいた、ってことで。そして助演女優賞は同じく中谷美紀さん!これは文句ないわぁ。
先:提供だけエンケンに読ませるなんて豪華よねぇ。『外事警察』にも『不毛地帯』にも清張spにも出ていてお忙しいわ!
それでは続いて主演男女優賞の発表です!!
私が選びましたのは、
主演男優賞、草なぎ剛さん(『任侠ヘルパー』翼彦一役)
主演女優賞、桜庭ななみちゃん(『ふたつのスピカ』鴨川アスミ役)です!!
今回、「主演」と考えると、この二人しか思い浮かばなかったなぁ。つよぽんは改めてその演技力の素晴らしさを痛感して、マジで惚れたし、桜庭ななみちゃんは漫画のあの絵のイメージを壊さず、真っ直ぐ純粋な主人公そのままでした。
齋:成程。わたくしの主演男優賞は、『外事警察』の渡部篤郎さんです!正直、最近しゃべり方に癖のある演技が多かったのでちょっと敬遠していたのですが、外事での緩急ある演じ方に引き込まれました。特に助演男優賞のエンケンさんとの対峙の不敵さとか、陽菜たち相手のどSっぷりとか…いやすごいもん魅せてもらいましたわ。
そして主演女優賞なんですが…仲間由紀恵さんですかね。仲間さんの台詞回しはもはやコメディしか合わないのかと思っていたけど、『ありふれた奇跡』の山田太一イズムにはばっちりはまっていたと思います。
山の手の綺麗なお嬢さん、だけど抱えている秘密のためにどこか危うげなヒロインが周囲と傷つけ合いながら徐々に安定していく姿をしっかり演じていたと思います。
先:なんかお齋藤さまから『ありふれた奇跡』に対するこんな熱いコメントを聞こうとは思わなかったなぁ。放送してる最中はお互い殆ど話題にしなかったし、私が「観てる」っていうと、「あれだけ言ってたのに結構はまってるんですね……」って言われたような気がしますが。でも、蘇った渡部と作品に恵まれた仲間、どちらも良かった。
さて、その他の各賞は後ほど発表するとして、ドラマ大賞2009、発表しちゃいますか?
我らのドラマ大賞2009は、『外事警察』です!!『仁−JIN−』にしようか一瞬悩んだけど、やはり『外事警察』にします。理由は初回から断然面白く、画面から目を逸らす隙すら与えてくれなかったから。お陰でトイレ行く時間はおろか、鼻咬むためにティッシュ取るとか、お菓子を食べるなんてことも出来なかった。でも、それくらい集中して観させてもまったく破綻しないくらい中身のあるドラマでしたわ。
齋:いや、接戦でしたなぁ。毎期此ぐらい嬉しい悩みがあればいいのに…。『外事』はNHKの特徴であるCMなしが上手く作用して余計緊張感が強調されていたのもポイントだったかな。
先:ということで、年の瀬も迫っているから、サクサク、各賞の発表といきますか?
私は「お先生特別賞・英語が凄かったで賞」を『白州次郎』にあげたいと思います。とにかく、伊勢谷友介のあの嫌味なオックスブリッジアクセントがたまんなくカッコ良かった!また、中谷扮する正子のAmerican Englishとの対比がインテリ夫婦然としていて、すごぶるコンプレックスを感じさせてくれて良かったです。あれを聴きたいがた為に全部録画しました。
あとは「とにかく全部素晴らしかったで賞」を『湯けむりスナイパー』の山岸トモヨ役・小室りりかさんに!第二回放送の『人生の先輩』で、池谷のぶえから変身して伝説のストリッパーとして踊る姿が大変美しかったです。良いもん観ました。ありがとうございました。
さて、お齋藤さまの各賞は?
齋:そうですね、まずは「深夜だからって結構やりすぎたで賞」は以前こちらでも俎上にあがった『妄想姉妹』。個人的に次女の紺野まひるさんはさほど…だったんですが長女の吉瀬美智子さんと三女の高橋真唯さんが凄まじいエロさ(誉め言葉です)でした。ていうか、父親役の田中哲司とかゲストの眞島秀和さまや山中聡(たかシ弟)と相手役もいい男揃いだったし…。多分に話を歪曲していたきらいもありますが、まあ深夜ってことで。『青い文学』も変にアニメにせず堺雅人主演のミニドラマにすればよかったのに…それじゃ『文學ト云フ事』とかぶっちゃうか。で、もう一方は「スペシャルドラマ賞」、すなわち今年あったスペシャルドラマの内で個人的に一番面白かったのは…『坂の上の雲』です!いやぁ、今年は『警官の血(警官親子三代の人生を描いた佐々木譲原作ミステリ)』、『白洲次郎』、『刑事一代(実在
の昭和の名刑事・平塚八兵衛と昭和の有名事件の話)』…とNHKとテレビ朝の(しかも史実と刑事モノかラインナップが面白かった!…で、減点方式で選んだ結果が『坂の上…』だったと。やはり大河を縮小させて捩じ込むだけある気合の入れ様だよね。ただ先日、伯母と
も話していたのですが、1年に1ヵ月しかやらない×トータル3年ってのがなぁ。まあ『白洲』でも我慢したことだし、来年も軍神・広瀬武夫の爽やかさを堪能するぜ!
先:えーー!広瀬大尉、熱いじゃん!爽やかって感じか?まぁ、格好いいので許そう。
齋:いや、熱いのに爽やかっていうハイブリッド系じゃないですか。しかし今年最後第5話で秋山弟(モックン)と褌2ショットはちょっとしたギャグと捉えていいんでしょうか?写真ネタは子規(香川照之)プレゼンツ和製ベースボールこと野球ルールのジェスチャー写真同様、何らかの意図を以て設定され…てないか。てなわけで本来ならば来期ドラマについて語るべき頃合ではございましたが、皆様、この試みはいかがでしたでしょうか?実はわたくしども、ラズベリー賞も選びたかったのですがあまりにも該当作品が多くて断念してしまいました。誠に相すみません…。ま、ラズベリーに関してもいずれ導入するやもしれませんので乞うご期待を!
では、相変わらず長くなりましたが今回はこの辺で。皆様、どうぞよいお年を〜!!
注:ヴァージョンの違い?で一部読みづらい箇所があり、すいません。