ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』女たちの生き方と男たちの魅力についてと『俺の家の話』との共通点

こんばんは。
本日は久々に日本のドラマの感想を☺

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大豆田とわ子と三人の元夫 | 関西テレビ放送 カンテレ

 

さて、『俺の家の話』と『大豆田とわ子と三人の元夫』。
どちらもニュースで制作が発表された時から楽しみで、友人たちにも「面白いと思うから絶対観て😆」と伝えていたドラマでしたが、、、たった半年で2つも一生面白かったと記憶に残る日本ドラマが観られるとは結構な驚き。最近では貴重なので有り難いです。

(ちなみに、今期は『ドラゴン桜』も観ていますが、こちらも勉強方法に対して納得の台詞の連続で面白いです。やはり人間は勉強しないとダメ!だと思いました。あと大河ドラマ『青天を衝け』も初回から観ています。こちらも良作。)

さて、この2つのドラマ、話の流れの中で神回の存在とトラウマ回てのがどちらも私にはあって、それが余計にドラマの波を大きなうねりにしていて、凄いなと思ったので、この感想を書くことにしました。

どちらのドラマも常に色々なことが生活の中で起きていて、それぞれのエピソードが重めなのに当たり前の様に描かれているのが面白くて。
重めでも、そこは日常なので、って割と淡々と描いていたので、こちらも、「そうか、このドラマはそう言うリズムなんだなぁ」と何故か心地よさを感じて楽しく観ていると、すっごい地雷が待っていた、と言う展開に😣😣😣

『俺の家の話』は中盤にある常磐ハワイアンセンターへ家族で行くエピソードがツイッターでも大盛り上がりだった神回(他のドラマでは感じないような、必要以上に異常な盛り上がりを見せた回と言う意味。)で、私にとって予想もしなかった地獄のトラウマ展開は最終回だったのですが、、、

『大豆田とわ子』の方は中盤にこれまた全然予想していなかったショックな展開があり、その1年後を描いた後半戦から更に1話を経ての8話目が、これまたツイッターの1位は勿論、トレンド上位を占める程、盛り上がった神回だったのではないかな、と思いました。

どちらも視聴率の割には、トレンドの上位を数時間独占するほどの大盛り上がり。

現在放送中の『大豆田とわ子と三人の元夫』は、会話が多くて、一見、饒舌な様でいて実は見せていない内面も多く、、、と言うか、大人なら、社会人なら、本音はそう口にしないもの、内面は見せないもの、と言う様な一貫性がこのドラマにはあり、視聴者の想像力をかき立てて楽しいのですが、、、

実際、我々が生きる現実社会も多くの人間がそうなので(でも、私は変わっているので💧本音を口にしてしまうタイプなのですが、、、)一見、リアルな様に感じるけど、私の友人の言葉ですが、何故か「ユートピア感」があり、得体の知れない怖さや毒もドラマ内にはかなり仕込まれているのに、ちょっと洒落ていて可愛い登場人物や暮らしの様子に憧れも抱かせるこのドラマ。

そんなこんなで、ちょっとおかしい主人公・大豆田とわ子(松たか子)と、これまたちょっとおかしい3人の元夫たち(松田龍平東京03 角田晃広岡田将生)が持論をぶちながら毎回ドタバタしている様子と(前半はそれに絡む3人のズルい女とたまに仕事で出会うとわ子にモーションかけてくる変な男たちと)、時折遭遇する事故みたいな親友・かごめと、大人びた中3(~高1)の娘ととわ子が経営する平均年齢が低めのアットホーム「っぽい」建築会社と良い感じに最新のハイブランドのファッションと代々木上原辺りにある、どう見ても億ションのとわ子が住む家のリビングと、その近くにある最初の夫の洒落た店が大体の舞台になっている、実は凄く狭い世界でのお話です。

どうでも良いのですが、私、前半に登場した3人の元夫たちに関わる3人の女がほんと苦手で。。。
彼女らの顔つきと言ってることが聞いていて辛かった~~😣

元夫たちのやり取りがとわ子にとって鳥の囀りにしか聞こえない様に、私にも3人の女の自己主張がそう聞こえれば良かったのだけど💧
女優さんたちの顔つきに役それぞれのズルさが滲み出ていて、みんな上手だなぁ、と感心さえしました😵

このドラマって男性陣はみんなちょっと変なんですけど、可愛さが滲み出ていて魅力的だな、と思う反面、とわ子の会社にいるメアリージュンの態度もそうですが、女性陣にはなんとなく嫌なものを感じてしまうのですよね。

しかし、彼女たちだって、男性陣と同じく、ただ素直に自分をさらけ出して生きているだけなのかも??と思った時、実は「自分に正直に生きる女」って端から見ると嫌な人間(綺麗じゃない)に見えるのかも?と思いました。

これを受けて、友人が「となると、嫌なやつであることを避ける理由は本人には得がないのかも?」と言ったのですが、更に考えてみると、私、とわ子のことは嫌だと思わないな、と。

とわ子の生き方って、かごめに振り回されたり、元夫たちとの結婚した当時や離婚した今の関係や、社長を任せるって言われて引き受けた時や、かごめに社長をやるべきって言われたことや、娘がお祖父ちゃんの家から学校に通う!と家を出ていった時など、もっと自己主張出来るのに、結構な受け身。

気まずい関係になりたくない、と言うとわ子に対し、メアリージュンに「そう言うとこですよ!だから勝てないんです」って言われてたけど、自分がない流され人間ではない。
自分が選んだ家のインテリアやファッションを見ていても綺麗なものが好きそうなので、綺麗に生きたい、と思っているのかな。
嫌われたくない、じゃなくて。

ちなみに、世の中的には一番「何考えてるか分からない人」とされていたかごめも私は嫌いじゃなかったのは、彼女が何を考えてるか一番分かりやすかったからかもな。
女性社員をネチネチいじめてた上司に靴を投げつけて新卒で入った会社をすぐ辞めたことや親に虐げられていた赤ん坊を連れ出したこととか。

うーーーーん、
何を取って何を捨てればいいのか、
生きるって難しい。

ほ~んと、出ている役者さんがみんな凄い演技巧者。しかも、みんなが大変魅力的に描かれていて脚本や演出がまず凄いです。

坂元裕二脚本て、私は日テレ系のはほんと現実社会の闇や毒の重みがリアルすぎて観られないのですが、適度にお洒落で面白く楽しめる系統は好きです。

所謂トレンディードラマ時代の『東京ラブストーリー』は(柴門ふみ原作ありきだけど)ちょっと原作とは違った内容だったけど、あと『二十歳の約束』と『ラストクリスマス』の3つとも昔観ていたし、フジの『最高の離婚』と今回のドラマ制作のきっかけになった同じ演出家の『カルテット』も毎回ドキドキしながら観ていた思い出があり、どれも忘れられません。

面白いと思いつつも、3人の女に嫌悪感を抱いていた6話まで、、、そうしていたら、なんと地獄のぶっ込みが待っていました。

冒頭で述べた様に、もう、これ、ほんと前クールの超楽しく観ていたドラマ『俺の家の話』の最終回で奈落の底へ突き落とされたトラウマで暫く立ち上がれなかった私ですが、今回もかーーーーとほんと辛くて呆然としました。

ただ楽しくドラマを観たいけど、結局こう言うの(脚本家)が好きなんだよなー私。辛いわ😫

そして、その地獄って言うのが、どちらにも共通して「大切な人が死ぬこと」で。

ドラマ内の登場人物がその後も一見淡々と生きるままに話が進むのもどちらのドラマにも共通していて、視聴者はその死を全然受け入れられないまま、心の中は「なんで?どうして??」となっているけど、ドラマ内では特に細かい説明もなく、登場人物がワンワン泣くシーンもない。

ただ、生きている人に「毎日」はやって来るので、なんとなくいつもの様にご飯を作って食べていたのも同じ。
たった数ヶ月で同じ様な辛い思いを2回も、楽しく観ていたドラマにさせられるとは想像もしませんでした。

で、1年間そんな弱りに弱り切って、周りの景色も見えないくらいのとわ子でも目に飛び込んできたオダギリジョー演じる、異質なイイ男。
しかし、彼は元夫たちや仕事で出会う変な男たちと比べると、群を抜いてヤバイ男だった💦💦💦

田中・佐藤・中村とありふれた名字の3人の元夫と比べて、その他の人物は変わった名字が多いなと思っていたのですが、この小鳥遊と言う名字、「小鳥が遊んでいる所に鷹はいないだろう」と言う意味で「たかなし」と読むんだそう。

いや、名字に意味ありすぎて怖いよ💦💦

知れば知るほど魅力的だけど、怖すぎるこの小鳥遊😵
人生で最大に弱り切っていた時に、すっと心に入ってきたプライベートな彼とすっかり意気投合したとわ子でしたが、実は自分の会社を乗っ取る計画を立てる投資会社の冷徹男で、、、

まぁ、本人も「まさかそこまで計画してません、自分も仕事で会った時にはさすがに驚きました😵💦」と言ってましたが、それでも、「仕事とプライベートをきっちり分けるタイプなので、これからも仲良くしてください」ニコッって、、、とわ子じゃなくても「は???」となりましたが、、、

考えてみると、そもそも、とわ子がちょっと変わっているからか、変わっている人が集まってきてお互いに好きになっちゃうのは仕方ない現象なのかもな😓

そして、この小鳥遊、結構良いこと言ってて(数学が大好きで理系脳と思いきや、結構苦労していて言うことは哲学的)、実際、仕事とプライベートは別ってのも本来なら理解出来るのに、「こっちはアリでこっちはナシ」って考えるのは実は身勝手なのかもなー💧と思った次第。

そう言う所を魅力的な不器用さを用いつつ、ビシビシ突いてくる小鳥遊ですが、とわ子も変人の扱いには慣れていて、と言うか、逆に上手いからか、すっかり小鳥遊を相手にしてしまっている💦

「優しい=頭が良い」(ドラマで出てきた、とわ子を褒めた台詞)のも考え物ですね、ほんと😵

ところで、この話の奇妙な所は3回結婚して3回離婚したって所。
私は最初からずっとそこが引っかかっているのです。ただ「付き合う」じゃダメなの??と😅

実は、私自身、とわ子と同じく親が離婚した家に育ちましたが、結婚にまったく興味なくて、結婚したいと思ったことがないし、将来的にも結婚しないので、このとわ子が何故、3回結婚して3回離婚したのか、最初から気になっているのですよねー。

「一人で生きている人を応援するつもりで作った」って感じのことを演出家さんがインタビューで語っていましたが、結婚に対する主張みたいなものもあると思うのですよね。

これまで観ていて、離婚した理由はなんとなく伝わりましたが、結婚した理由はイマイチよく分からず。

最初に離婚したのは、その人の心の中に別に好きな人がいたから、、、ってドラマでも分かる様に今でも引きずるちょっとトラウマ案件だと思うのですが、2回目結婚出来るのかぁ、そして、それがまたダメになって3回目も。。。

結局、3人の元夫たちが結構魅力的なので、1回目ダメだったけど、今度は幸せになれるかも、、、結婚のリベンジは結婚で❗みたいな感じだとまぁ、2回目までは納得出来るかな。
3回目は、出会ってすぐ家にいついちゃった可愛い感じのしんしんで、司法試験の勉強してる途中で自分も社長になったばかりだったので、結婚して養ってあげようってことだったのか??
なんとなく意味がある様な、ない様な理解度の私です。

と、ここまで書いて、週1話だと、毎回変な恐怖感でドキドキしながら観ていたドラマでしたが、7・8話をもう一度連続で観てみると、なんとなく馴染んで観られ、その中で社長の命令で娘と結婚させられそうだった小鳥遊に「結婚て良くないものなんですか?あなただって一人で生きていけるでしょ?」と問われたとわ子が答える。
「基本は一人で大丈夫だけど、小さなこと、自分で電気を点けたり、ちょっとしたボタン1つ押すのに疲れる時がある。意外と私、一人で生きるのが面倒くさい方なのかも。自分が何もしなくて明るくて音楽が鳴って温かいってのに憧れる」と。

そこに心地よさを求める人がいるんだなぁ、と思いました。とわ子は3回の結婚でその心地よさを感じたから、また結婚するのはアリと思っているのですね。

確かに、それは一度結婚してみないと分からないかも。普通の交際やまだ家族ではない同棲とは違うものがあるのでしょう。

 

さて、この話、残すところ2話ですが、これからどうなるのやら。

小鳥遊の、拾ってくれた社長への忠誠心は、実は若い頃から15年もヤングケアラーで介護奴隷だったため、そこからまだ解放されていない、と言うか、それが当たり前だったので、残念ながらその世界しか知らない彼。
自然の成り行きでとうとうとわ子を抱きしめてましたが、とわ子に惹かれているのは本心で、会社を乗っ取るための社長命令じゃなければ良いのですが。。。

「優しい=頭が良い」。
実は私も同じ様なこと言われたことがあるので、ハッとしたのですが、これって一周回って逆に「頭が悪い」んじゃ??、と思っている今日この頃💧

とわ子の人生はなんとなく楽しそうで幸せそうでもあり、かなり波瀾万丈。
幸せって何なのかよく分からないですが、このドラマを見終われば、何か心に残ることはありそうです。

そうそう、このドラマ、音楽がとても良いです🎶
とわ子がちょっとルンルンしてる時に流れる音楽とか、感情説明の台詞がない中で、音楽が説明してくれていて、伊藤沙莉のテンポ感あるナレーションも音楽の様でもあり心地よい。
ちなみに、嫌な事が起こっているときには音楽なし。

あとは、エンディングテーマの歌詞を毎回変えたり、凝っている上で、音楽が文字通り格好いい❗

ドラマの最初と最後に、とわ子が演技の続きでタイトルコールをするのですが、このエンディングテーマは、ドラマの続きをまだ観ていたい気持ちや、溜飲を下げたり、カタルシスだったり、衝撃の結末を癒やしたり、、、と色々な役割を担っていてくれて、最後まで聴きたくなります😌

と言うことで、以上、『大豆田とわ子と三人の元夫❗❗』でした😄