ピリリリリリリ。右京の携帯が鳴る。
小野田「僕だけど」
右京「ええ、存じております」
小野田「お前に会わせたい人がいるの。今から出てこられない?
いつものテラスで待ってるから」
右京「わたくしはまだ行くとは申しておりませんが」
小野田「どうせ暇なんでしょ」
右京「官房長、『暇はかけがえのない財産である』。ソクラテスの言葉です。
ですから、わたくしはその財産を有効に使おうと、今――」
小野田「来るの?来ないの?」
右京「……解りました。参ります」
そこへ角田課長登場。
角田「暇か?!」
右京「暇ではありません」
角田「そう?相変わらず暇そうに見えるけど」
右京「角田課長、暇と謂うものは……」
角田「なに?暇と謂うものは、なによ?」
右京「いいえ、こちらのことです」
角田「あ、そう?しかし、ここも殺風景だねぇ。コーヒーサーバーでも入れた方が
いいんじゃないの?俺のこのパンダのマグカップが淋しそうでしょ」
右京「生憎、わたしは紅茶党ですので」
角田「そうね。じゃあ、しょうがないっか」
そこへトリオ・ザ・捜一登場。伊丹はどこか虚空を見つめている。
伊丹「コラッ、亀キチ。うっせーバーカ。おめぇーの所為で、うんたらかんたら」
右京「……」
芹沢「すいません。。。伊丹先輩、亀山先輩がいなくなってから、余りに淋しすぎて
幻が見えちゃってるようなんです」
三浦「なんとかして下さいよ、警部殿。これじゃあ仕事になりませんよ」
伊丹「特命係のかーめーやーまー。うんぬんかんぬん」
三浦「ほら、芹沢。なんとかしろよ」
芹沢「伊丹先輩、そろそろ一課に戻らないと怒られますよ」
そこへ右手にカセットテープを持ってイソイソと米沢登場。
米沢「おっと!これは最も来てはいけない時に来てしまったようですねぇ」
右京「これは米沢さん。丁度良い時に来てくださいました。実は先日お借りした
テープをお返ししようと思っていたところなのです」
米沢「そうですか。かく云うわたくしも、これ。志ん生の幻のテープが手に入りましたので
お持ちいたしました」
狭い特命係で6人が右往左往。
いつもの公園の喫茶テラス席。
小野田と一緒に見慣れない男が座っている。
小野田「随分と遅いじゃない」
右京「申し訳ありません。出掛けにちょっとありましたもので」
小野田「これでも僕、割と忙しい身なんだけれど」
右京「ええ、存じております。それで、ご用件は?」
小野田「ああ、そうでした。彼、お前の新しい相棒。及川光博君。
ミッチーって呼んであげてね」
右京「……」(以上、作:お先生)
及川「どうしたの、右京ベイベ?小野田ベイベも急に呼びつけちゃダメだよ。
親しき仲にも礼儀ありなんだから」
右京「別に親しき仲ではありませんが。何人に対しても礼節を弁える、ということは
非常によい心がけだと思いますねぇ。時にあなた、その『ベイベ』という呼称は
どういった意味あいに通ずるのでしょう。上役たる官房長にも初対面のわたしにも
用いていらっしゃいますが、本来Babyは親愛なる者でなおかつ自分と同等もしくは
目下の者にもちいるものです。しかもあなたは苗字にもファーストネームにもつけている。
これはどういうことでしょう。」(以上、作:お齋藤)
先:まったく!人が硬派に擬似会話終わらせようとしてたのに、お齋藤さまの所為で
一気にオモロー内容に変わっちゃったじゃないのよ!
齋:だって、気づいたら指が続きを紡いでしまったんですもの。許してつかぁさい。
先:いうことで、にわかには信じ難い小野田さんからの新相棒発表なのですが、
新聞各社が全く後追いしてないところをみると、ガセなのかしら?
齋:でも、亀卒業のときもそんなに報じられていたっけ?
また米沢さん映画公開時に大々的にやるのかも…しかしミッチーか。
『八雲樹』が評価されたのか?はたまた『マンハッタン・ラブストーリー』『我輩は主婦である』がよかったのか。
先:しかし、ミッチーって本当はこういう芸風なのよね。忘れてたわ。
亀卒業の際には各社大きい扱いで、ヤホーで記事全部チェックするの大変だったくらいよ。
なのに今回のミッチーはパッタリ。なぜかしらん?
齋:まぁ、亀卒業時は劇場版フィーバー覚めやらぬ頃だったからかな。
あと、今はテレ朝やマスコミに不況の風が吹き荒れていたりするし。
それにミッチーの役者面についてはまだまだわからないから騒げないとかさ。(殊に相棒の世界観では)
でも、お先生のプロローグみたいに、新キャラが出ることでスタッフも吹っ切れて亀山夫妻について
台詞で言及されることになるのかしら。今全くの黙殺じゃん。
先:そうなんだよね。わざとらしさアリアリのスルー。気の毒すぎる。
しかし、これで本当にミッチーじゃなかったらどうしてくれるんだ。
あとさ、ミッチーだと、どうしても巡査部長レベルには見えないの。警視くらい。
すると右京より階級上になってしまう。その辺がねぇ。
特命に来るんだから、原田龍二みたくかなりの失敗(ていうか、ドジ)しないと無理だろうしねぇ。
齋:なにせ「人材の墓場」だし、進んでは来ないでしょうね。やらかしたのよ、何か。
で、右京さんより階級が上でも年齢を重んじたり東大時代からの名声を知っていてむげにできない、とかで
関係性は右京さんが上、と。あとは特命を潰すという特命を密かに抱いて派遣された刺客だったけど、
右京さんの捜査に感化されて特命存続に転身するとか?
先:イヤだ、そんな「ミイラ取りがミイラ」なんて。詰まらない。
やはり、悪には最後まで悪徹して貰わないと。まぁ、ミッチーだったら、知恵比べしてくれるでしょうから、
そっちを楽しみにしたいですが。でも、頭硬い同士だと今まで亀がフォローしてた所がなぁ……。
あと、頭脳派同士だと、どうしても右京に勝てないだろうから、そういうのもねぇ……。
メガネキャラも被っちゃうしねぇ……。
あぁー、昔、アメリカの大学の寮のテレビでで『今夜、桃色クラブで』のビデオクリップを観ながらみんなで踊ったことが
懐かしいわ。ミッチーってそういう人なんだけどなぁ。大丈夫か?!
齋:眼鏡も確定じゃないんですから。
…などと我々が悠長に話している間に、とっとと最終回の予告で特命に流されたミッチーが!(註:3月11日)
やはり眼鏡なし、特命行き辞令にきょとんな感じでしたね。しかし、やはりというか新入りの布石からか
急にわざとらしく亀山の存在を出したりしちゃってさ…。
というか、何なの?最終回は横溝でいくわけ?(『八つ墓村』+『本陣殺人事件』+α)
まあミッチーがいるからむしろ八雲樹か。
先:私が気になったのは、ミッチーが乗っていた車。
明らかに日産車ではありませんでしたが…。
あれ、マセラッティじゃんか?
(〜お先生からのお詫び〜
さて、ミッチー登場の最終回を拝見しましたが、
ミッチーが乗っていた車がGTRということが判明!歴とした日産社です。
というか、うちは20年以上スカイラインの愛用者です。はは、すいませんでした。汗。。
なぜかチラリとエンブレムが見えたときにマセラッティのマークに見えたのよねぇ。)
革のコートにノーネクタイ。
格好いいんだけど、すぐに消えそうな予感。
相棒カラーにまったく合っていませんが、大丈夫か?!?!
来週は、遠出して、「THE・村」って感じのところで、横溝的事件を解決。
下手すると古畑にもなりかねませんよ。面白けりゃなんでもいいのかー?
齋:あんな村でも警視庁管轄…てことは奥多摩?
しかし公務員があんなので現場に乗り付けるなんて、流石テレ朝!
もしかしたら炎上するとかであえて日産を避けたかも。
何にせよ、次回最終回で『相棒』が本当に違う味の『相棒』になるのかしら。
個人的に今回の人事はできれば、右京さんに運転をさせないため、くらいの軽い登板であってほしいと思う。
先:奥多摩だと、本当に古畑だよ。藤原竜也の。
…えーと、先ほど、母さまに「『相棒』の新相棒誰だか知ってる?ミッチーなんだよ!」と教えたところ、
我らが今まで語ってきたのと同じ内容を散々語った後、母さまから衝撃の発言が!
「まさか、同じタイプのミッチーを持ってきておいて知らぬ間に右京さん消えてるなんてことないよねぇ?」
…な、なんですとーーー!!!げに恐ろしきことをいとも簡単に!!!
いや、いや、いやぁぁーーー!!これ本当にあり得るからっ!!
うわぁ、これは右京定年退職に対する布石ですか?!
あぁ、本当の狙いはこれだったのね。現実味ありすぎて、私、ちょっと立ち直れないわよ。
齋:…それは一瞬考えましたが、流石にそこまで言ったら『相棒』の看板は降ろすでしょう。
というか、そこまでいったらもう今まで築き上げたものが台無しすぎるよ…。
まあでも右京さん定年退職、という観点だと次のシーズンが最後、ってことか。
だからひと足早く亀を卒業させたと。…スタッフの皆さん、それでいいんですか?
ちょっとは橋田寿賀子御大のキャスト固定率を参考にしてくださいよ!!
先:でもこれ意外とない意見でしょ?昨日2ちゃんねるチェックしたときも、ミッチーは苦情が出たらワンクールで
切られるとかなんとか言われてたけど、まさか『相棒』という枠組みだけ借りて、存続させようなんて、
余りに恐ろしくて、みんな考えようとしないもん。金八だけ変えて3年B組やろうなんて考えないもん。
てことで、スタッフがたとえそれを念頭に置いていたとしても当分は発表しないだろうから、
私たちは目の前にある『相棒』を楽しむしかない、と。視聴者なんてそんなもんなのかしら。虚しいわ。
齋:我々に残された選択肢、か。よし、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損!
来週のミッチーがどんなもんだか、因習ネタがどんなもんだか 観てやろうじゃないか!!
先:お、踊るのね…、私たち。とうとう、踊るのね!