とるに足らない男です、のはなし(2)

どうも。昨晩『うたばん』で織田裕二のゲストに的場浩二が出ていました。
ふたりといえば、TBSで一時期セット出演していましたよねー。
懐かしの『ママハハ・ブギ』『予備校ブギ』果てはむちゃくちゃ好きだった
『卒業』の映像が流れてちょっと嬉しかったです。
いやぁフリッパーズ・ギターの『恋とマシンガン』、元ネタの『黄金の七人』のサントラを
一生懸命に探した日々もまたナツカシス、なお齋藤でございます。


まあそんなノスタルジックな雰囲気に浸る間もなく、今回は予告どおり
金田一耕助シリーズ『犬神家の一族』について語ろうかと思います。

昨年末、巨匠・市川昆のセルフリメイクしたことでも有名なこの作品。
これも今更説明するのもなんなのですが、まあ言わせてくださいよ。



舞台は昭和20年代の信州・那須湖畔。
この地には犬神佐兵衛が一代で築いた犬神製薬(原作では製糸工場)の
本拠地と犬神家本宅がある。
創業者・佐兵衛は死ぬまで正式の妻を娶らなかったが、
三人の女性を囲い、それぞれに松子・竹子・梅子と一女ずつ生ませていた。
しかし、佐兵衛は愛人にも娘たちにも特に愛着をもたず、認知と経営関係以外は
娘たちに格別の情は示さず、娘たちも互いに反目しあっていた。
そんな佐兵衛が亡くなり、親族たちは莫大な遺産の行方が書かれた遺言状を
知りたがったが、佐兵衛の命により、未だ戦地から戻らない長女松子の息子・
佐清の帰国まで開示されないこととなっていた。
探偵・金田一耕助は犬神家顧問弁護士である古館の助手・若林から
「近々犬神家に起こる容易ならざる事件」の調査依頼を受け信州に降り立つが、
面談の直前、若林が毒殺されてしまう。
そんななか佐清が帰国し、金田一も立ち会いのもといよいよ遺言状が公開されるが、
その内容とは犬神家の相続権を意味する斧・琴・菊の三種の神器を佐兵衛の恩人・野々宮大弐の孫であり、
係累の死後犬神家にひきとられた絶世の美女・珠世に与え、遺産は彼女が選んだ
佐兵衛の3人の孫、佐清・佐武(次女・竹子の息子)・佐智(三女・梅子の息子)の
いづれかに与えるというものだった。
この遺言の公開で三姉妹の相続権争いに拍車がかかり、やがて佐武が何者かに殺害される−。

まあ、有名なお話なのでこの辺りで。
やはり映像化の際『犬神家』=佐清のゴムマスク、あまりに有名な湖畔死体のポーズ、
三姉妹の若作り(!)がチェックポインツですわよね。それから“珠世の絶世の美女ぶり”か。
お齋藤が初めて観たのは、ある種「異端」よばわりされる、90年にテレ朝が放送した中井貴一金田一の犬神家。
…ええ、あの「ぴっちり七三、三つ折りを着てピストル片手の」金田一でございます。
珠世は財前直見佐清石黒賢。松子奥様は岡田茉莉子でした。(しかもなぜか佐智に小沢仁志だ!)
まだお子さまだったお齋藤、なかなか2時間ドラマの視聴をママンが許してくれず、(当然といやぁ当然ですが)
唯一、「金田一さんは許す」と言って観せてくれていたのですよね。
(乱歩・明智小五郎は不可)
別に彼女は横溝ファンでもミステリマニアでもなかったのに。未だに謎な事項です。

ま、そこはそれとして、石黒のゴムマスク、なかなかよかったですぜ。
後年、古谷一行版のドラマを観る機会があったのですが、その田村亮なんて
仮面が布だし(これはこれで能面で恐かった)、
怪我なんて大して激しくなくて顔半分わかるくらいでちょっとねぇ…。
そう考えるとわたくしのベスト・スケキヨは石黒か桔平だな。
仮面、怪我の特殊効果、国民服の似合い度と全体的にバランスがよい感じ。
ただ、どれも珠世さんがねぇ…。この間なんて松嶋菜々子だったし。
菊之助と『ラブ・コン』な身長差だから撮るの苦労したんだろうなぁ。

なんて。あくまで個人的嗜好なので、お好きな方がいらっしゃったら
どうかこらえてつかぁさい。
次回、私的感想第3回、『悪魔の手鞠唄』でまいりとう存じます。