若村麻由美と時代劇


え〜、残暑厳しき折、皆様におかれましては如何お過ごしで。
って、「どこが残暑じゃーいっ!!真夏の暑さ真っ盛りじゃねぇーか!」と突っ込みのアナタ。
まぁまぁ、そんなこと仰らずに、ちょっとわたしくしの時代劇噺にお付き合い下さいよ。

てな訳で、お先生です。
『逃亡者(のがれもの)おりん』によって、
テレビ東京が久〜しぶりに大勝負を仕掛けてきた金曜8時枠の連続時代劇。
なかなか順調のようであります。
何を隠そう、お先生は根っからの「時代劇大好き人間」でありますので
(あれ?この台詞どこかで聞いたような……。あ、「根っからの大豆大好き人間」か!)
この『逃亡者おりん』は当然チェックしておりました。
色々とご批判もあったこのドラマでありますが、
何とも言えないB級的な作りにも拘らず、意外と凝ったストーリーと
連続ドラマ初主演・青山倫子のたっぷりの魅力の所為で
2クールも続いたこのドラマ、最後まで殆ど見てしまったのでした。
金曜の予定も「今日、おりんちゃんあるから」と言って極力断る入れ込みぶり。
今でも魔法に掛かったとしか、言い様がないほど嵌っておりました。
さて、『おりん』ちゃん終了後ある意味抜け殻となったわたくしは
その後の同枠の時代劇にはどうも食指が動きませんで、
時代劇好き心を持て余しておりました。
実際、『八丁堀の七人』で村上弘明+時代劇の魅力に嵌ったお先生も
「今回は浪人頭じゃねぇ……」と現在放送中の『刺客請負人』には目もくれなかったのであります。
ところが、連日新聞を読むにつけ、「面白い」だの何だのと中々の盛況の様子。
それでもまぁ、「ふ〜ん、そうなんだぁ」くらいにしか相手にしていなかったのであります。
事実、金曜の8時に家に居ることは本当難しかったため、
チラ観することもなかったのであります。
しか〜〜〜し、流石のお先生もこの記事を見逃す訳にはいきませんでした!
それは「若村麻由美、妖艶な姿で良い味出してるぞ」との内容。
そこには明らかに歌舞伎者の衣装を纏った『刺客請負人』助っ人屋頭の妖艶なお姿が
ドド〜ンとカラーで写し出されていたのでした!


若村麻由美と言えば、「無名塾」。
無名塾」と言えば、「仲代達矢」……。
NHKの連続テレビ小説の主役も務めた、人気実力派女優なのであります。
その美しさと確かな演技力(こう書くと陳腐に聞こえるけど)、
最近では『白い巨頭』や『けものみち』でもご覧頂けたとは思いますが、
彼女の魅力が最大限に生かされるのは、やはり時代劇。
最も賛辞を受けた役は、なんと言っても『御家人斬九郎』の蔦吉役でございましょう!
辰巳芸者の蔦吉姐さん。
粋でいなせで妖艶で、幼馴染の斬九郎とは付かず離れずの良い仲。
牡丹雪の降り注ぐ中、御引きずりの着物の裾を端折って、紅い蛇の目の下から流し目する姿なんざ
女のわたくしも一コロでしたよ。


しかし、後の主演作『夜桜お染』では、その魅力がたっぷりと生かされず、
時代と共に映像技術も進歩して、画面はどんどんクリアになる昨今。
見えなくても良いところまで映っちまえば、隠すに隠せねぇ寄る年の肌。
それと共に演じる役どころも変わってくるってもんですが、そこは若村麻由美
求められるのは常に妖艶な美しさなんでございます。切ないねぇ。


しかし、しか〜〜し!若村麻由美は負けなかった!!
プライベートがスキャンダラスに取り上げられても、
生涯の伴侶を失っても、彼女は女優なのであります。


今回の『刺客請負人』、周りの出演陣の衣装がどうも地味だからなのか分かりませんが、
若村麻由美にはたっぷりと歌舞いてもらっております!
やっとこさ観られた第五話も良かった。
どうやら初めて村上演じる松葉刑部の前に現れた若村演じる、その名も「闇猫のお吉」。
お吉のお陰で、闇の深さも一層際立つってもんで。
衣装によってメイクも変わっていたりの凝り様で、
時代劇で『妖艶』という字をここまで演じられる人ってのは
本当皆無なのではないでしょうか?と改めて見せ付けられましたわ。
てな訳で、皆様一見の価値有りですよ。

では、まだまだ語りたいのは山々ですが、本日はこの辺で失礼いたします。