幻想・怪奇小説との邂逅〜ビアス、ラヴクラフトなど〜

■幻想・怪奇小説との邂逅〜ビアスラヴクラフトなど〜


皆様、お久しぶりでございます。
関東地方が雪ばかり降っていた2月ももうおしまい、来週からは3月ですか。
いやはや、本当に年が杉の戸を開けるのは速いものです。

と、中途半端な時候のご挨拶はさておき。
前回・前々回とお先生の充実した観劇記が続いた後になんですが、
今回はお齋藤のくだらんお話におつきあいいただけたら幸いです。

さて、以前このブログで書かせていただいたかもしれませんが、わたくしは幼い頃から
(ジュヴナイルながら)推理小説怪奇小説の好きな子どもでした。
通っていた小学校の図書館はなぜかその類が多かったのです。
あ、ちゃんと『若草物語』シリーズや『足長おじさん』とかも読みましたよ。
(『赤毛のアン』は何だか性に合わなくて挫折したけど)

長じて、創元社が出していた推理小説(クイーンやカーなど)は
オリジナル(と言っても無論日本語訳です)を探すことも読むこともできたのですが、
一方の金の星社の出していた「世界こわい話ふしぎな話」はタイトルも作家もうろ覚え、
たぶん同級生もあまり興味がなかったので(あってもこの歳までひきずっている奇特な人は
きっとほかにいないだろう)、聞いても芳しい結果は得られないものだとあきらめておりました。

まあ、有名どころであるポーやラヴクラフトは読めたとしても、
ビアスやメリメ、デュマの怪奇短編小説を探し出せる自信もなく、
「いつか古本屋であのジュヴナイルに会えないかなぁ」と思うばかりでした。


が。再会は突然訪れました。
友人に「蔵書数もあり、夜間も開放している」と薦められた図書館に、
何と同シリーズがコンプリートされていたのです!
(実は母校にもシリーズすべてはなく、カバーもないものだった。)
えぇ、おかげさまで忘れかけていた作品を読みまくりましたとも!!
しかし、いい歳こいた女が図書館の児童書コーナーから大量にハードカバーを抱えて行き、
西日を背に読み耽っている図ってホラーですよね。何だかごめんなさい。。。


まあそんな感じで読み直しての改めての感想メモです。主観ばかりで興味のない方、ごめんなさい。

・やはりビアスは最高だ。『悪魔の辞典』くらいしか流通してないのは勿体ないと思う。
『月明かりの道』を先に読んだので、芥川の『藪の中』の方がフォロワーに感じてしまって
ごめんなさい。

・ポーとラヴクラフトも相変わらず面白い。あとこの挿絵も怖さ倍増なんだろうな。
でもクトゥルフ神話に踏み出す勇気が出ないのはどうしてなんだろう。。。

・今読み返すとモーパッサンとメリメはやはりフランスな感じがする。
そして、好きだったけど名前が思いだせなかった作家はレ・ファニュと判明。

・・・すみません、まったく意味わかりませんよね。
えぇと、順を追って説明しますと、少し書きましたがアンブローズ・ビアスアメリカの作家で、
角川文庫あたりから出ている『悪魔の辞典』が有名ですね。
『月明かりの道』という作品は、ある一家の息子と、もうすぐで亡くなる男、霊媒師の口を借りた
息子の死んだ母親の3人の証言から、母親が殺された前後を描いたお話。
前述の『藪の中』にインスパイアされたそうです。
ただ、『藪の中』と違うのはこのお話では幻想的な部分が多分にあること。
『藪の中』は「誰かが嘘を言っている」のに対し、
こちらは「誰も嘘を言っていない(少なくとも証言では)」点であることでしょうか。
殺された女性の証言のラストの科白にちょっと泣きそうになりました。

ポーはおなじみとして、ラヴクラフトはかなりその筋じゃ有名みたいなので
(書店にもよく「クトゥルフ神話図鑑」みたいなものがあったりしますよね)説明はいらないかしら?

モーパッサンやメリメは言わずとしれた文豪ですね。わたくしはこの後に『女の一生』を読みました。
小6で。…間違っていたのは認めます。
が、これも同じく小学校の図書館にジュヴナイルがあったんだよ!
まさか小学校にあんな昼ドラな話が置いてあるわけないと思ったんだもん、仕方ないと思います。

あぁ、いかん。時間が足りない…。
本当はもっと書きたいのですがアンソロジー故、量が多すぎてちょっと追いつかない。。。
しかもネタバレ避けたいからあまり言及もできない。どうしよう。
…〆よう。

と、というわけで、書き逃げな感は(かなり)ありますが、最後に個人的ベスト3を列挙して閉じたいと思います。
もし皆様もどこかで発見した際にはご参考になさってくださいませ。
それでは皆様、ごきげんよう。。。

  1. 『恐怖の王国』 ビアス (原題『月明かりの道』)
  2. 『悪魔のおとし子』 ラヴクラフト
  3. 『緑色の目の白いネコ』 レ・ファニュ