夏の思い出と椎名桔平。


どうも、皆様こんにちは。お齋藤でございます。

お先生の独語(この表記が好き)講座、勉強になりやした。
あの伊達男の一味は皆「ヌル ヌル」で始まるわけか。
だから車も水陸両用だったりするのね。納得。

さて、巷はまさに夏休みまっただ中ですが、
あまり関係のないお齋藤は
今日も今日とて、まぶしい日差しを横目にせっせと労働です。
まあ、夏休みを謳歌している人々には“宿題”という足枷があるので
それがない喜びをかみしめるとします。
…負け惜しみじゃありませんよ。

そんな“足枷”の代表選手であるのが読書感想文。
児童時代、あまり本を読まないクラスメイトが苦しんでいましたが、
その頃からすでに活字中毒のケがあったわたくしもまた、
苦しんでおりました。

だって。作品を読むことは好きですが、何が哀しくて“義務”で
わざわざ第三者に感想を読ませなければならないのでしょう!
しかも、その頃のお齋藤といったら、学校の図書館においてある
『世界怪奇名作集』だの『少年少女推理傑作集』ばかり耽読して
おったのでどうしても課題図書に食指が動きづらかったのです。

時は流れて、読書感想文ともやっとお別れできた頃、
ふと新聞のテレビ欄を見ていたら、
フジテレビ深夜の枠のところに“0:40 文学”と書かれているのが
目にとまりました。
「こんな時間に、フジテレビで、文学…?」
文学についての番組なんて、NHK位しかやらないのではないか、と
偏見をもっていましたが、ひとまずビデオに録画しました。

翌日、再生したビデオに映ったものは『文學ト云フ事』という
旧字体と、わけわからん人体図チックな絵。
(のちに、この絵は番組マスコットだと判明)

−『文學ト云フ事』。94年の4月がら1クール、
フジテレビの深夜枠で放送されていた
演出家・片岡Kの手がける30分番組で、毎回、日本文学(主に近現代)の作品を
テーマに、映画の予告編よろしく“文学の予告篇”を放送する、という番組。

まず、“予告人”といわれる俳優が出てきて番組の趣旨
(「文学の予告篇」であること)を説明し、
番組が終わるまで作品(テーマ)を読んではいけない、と注意。
そして8ミリ映画が始まるように、3カウントで“予告篇”が始まるのです。

それまで、文学の映像化といえば映画やドラマにするくらいしか
考えられなかったのですが、いやはや、すべてにおいて
新鮮な感じでした。
しかもラインナップがいい!

わたくしが「課題図書みたいで苦手かも」と読まず嫌いをしていた
武者小路実篤『友情』や、夏目漱石三四郎』もこの番組のおかげで
興味をもって読むことができました。
ちなみに、田山花袋の『蒲団』の回ではバナナマン日村勇紀
なんのオチ要員でもなく、普通に好青年役で出ていたのも印象に
残っています。
未だにバラエティで彼を観るたびに、「きっとあれが唯一のイイ役
だったんだ」とせつなくなるのは年をとったせいでしょうか。

はてさて、ここまで書いて「椎名桔平は?」とお聞きになりたい
貴方、わたくしはこの番組で椎名桔平を見初めたのでございます。

ちょうどわたくしがビデオ録画した岡本かの子『老妓抄』に
理系の貧乏青年・柚木役で出演しておりました。

それがなんというか、屈折ゆえ斜にかまえていて(しかも眼鏡!)
たまらなく格好よかったのです。
しかも、同番組では三島由紀夫美徳のよろめき』の土屋役も
好演しており、あの番組にはいいもん観せていただきましたよ。

…まあ、そんな喜びも、数年後桔平が“裸でラ王”CMをすることで
沈静化するのですが…


ちょっとせつなくなったところで、今日はこの辺で。
ご静聴有り難うございました。