「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展@東京都現代美術館の感想

いやぁ、12月にここで⬇

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お知らせしていたにも関わらず、コロナの所為で2転3転して、結局行くのが展示が終わる2週間前となってしまいました😵
まずは行けて良かったです。

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石岡瑛子 | 展覧会 | 東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

 

金曜日、翌日の土曜のチケットを予約しようとしたら、なんと最後の1時間以外全て売り切れ😣
(一応、予約しなくても入れるらしいが30分75人以上で刻んでるので、予約してないとかなり並ぶ可能性があり💧)
テレビで放送されたらお客さんが殺到しているとのことで、、、またツイッターの事前情報から、見終わるまでに4時間、4時間半かかった❗❗と言うのを見て、午前中に着けば会場の混み具合も、展示を観るのに長時間かかっても大丈夫かなと思い、なんとか日曜の午前中のチケットをゲット出来ました🙌

「いや、4時間以上ってSUPER JUNIORのコンサートSUPER SHOWと同じだわ💦しかもコンサートととは違って座れないし、何かお菓子を口に入れるのも無理では😱」と思い、前夜はオムライスカレーを食べ1000カロリーくらいを摂取。朝も別のカレーを食べて行きました💧

駅から遠いのでタクシーで行こうと思ったら、日曜の午前中、歩けど歩けどタクシーは通らず大通りに風がビュービュー吹きすさぶ中を歩き、この角を曲がれば美術館、、、と言うとこでタクシーに乗れました😅2分くらい乗ったぞ🎵(帰りは朝よりは早くつかまりました。)

さて、今回の展示は1階と地下2階に分かれているのですが、1階を観終わった時点で約1時間が経過、、、
あら、いくら地下の展示の方が凄いからって、私、期待して観に来たのに、2、3時間で観終わったら恥ずかしいかも😨😨😨と思って、地下へ行ったら想像以上のボリュームで、結局、合計約5時間かかりました💦💦💦💦映像関係も全て観たのでね。

私はそんなに時間がない❗❗と仰る方は、衣装を担当したコンサート、シルク・ド・ソレイユ、各映画の映像やオペラ『マダム・バタフライ』(10分くらい?)『ニーベルングの指輪』のダイジェスト(40分)はすっ飛ばしてください😄2時間以上は節約出来るかも。

しかし、オペラ『忠臣蔵』(三枝成彰が作ったのだけど、意外と良かった❗全篇観たかった。)と三島由紀夫を題材にした映画『Mishima: A Life In Four Chapters』(6分くらい?)の映像は是非観た方が良いです😩

『Mishima』はずっと観たかったけど、なんか色々あって日本では映像すべて観るのは難しい様なので、ここで映画の金閣寺のセットを横にしながらダイジェストを拝め、しかも、その内容が、「うお、この元ネタって、石岡瑛子だったの?!」(いや、この前のユノユノ(東方神起のユンホ)の新曲MVで観たばかりですよ😅😅)っと言う、私が無知故の驚き映像も色々あって、個人的に「あの世に行かれても今でも恋しい男」、十代目坂東三津五郎の八十助時代の姿(『金閣寺』の主人公、私が大嫌いな溝口を演じている😵)も拝めるのです。

1階では、石岡瑛子が手がけた広告関係がまずあって、指示書の赤入れを読むと、「コントラストが足りない❗❗ここの影が際立たないとハイライト目立たないから意味ないし、美しくない❗❗」的なことが書いてあったりして、発表された写真や映像、ポスターの青の色や民族衣装の色柄、人の肌の色や陰影とか、なんか昨年、写真展を観に行った石元泰博を思い出して、イケイケな時代故の苛烈さって言うか、インパクトが凄かったです。キャッチコピーや文字のインパクトも。今って結構長い間「しっとり癒やし系」の広告が続いているので、バブルを小学生とかで体験した身としては、やはりこの濃さが恋しい時があります。でも、ずっとだと濃すぎるんですけどね💧(バブル世代の方はずっと濃くても大丈夫だったみたいなんですけど。。。)

で、他は先ほど書いたオペラの衣装やセットや映像スペースが3つ程あって、あとは『地獄の黙示録』の日本版ポスター❗これもインパクトあった。デザインもキャッチコピーも。
この後、地下で『ニーベルングの指輪』の衣装と映像があると思うと自然と頭の中に『ワルキューレの騎行』が流れました🎶行くぞーーー❗って感じで。

そして、1992年にアカデミー賞最優秀衣装デザイン賞を受賞した映画『ドラキュラ』の華麗なる衣装の数々。
これ、衣装デザインのドローイングと映像(画像)そして本体って構成だったのですが、デザインからの本体への飛躍が凄かったです。
デザインから型紙におこすパタンナー和製英語)の凄さと生地選び、細かい縫製の華美な濃密さが最終的に石岡瑛子を納得させる作りに昇華して最優秀賞を獲得するレベルになったかと思うと胸が熱くなりました。真紅のドレスの生地がボツボツしててじっくり見てしまいましたよ。また映画で観るのが楽しみ。


と言うことで地下へGO❗❗

地下はまずターセム・シン監督とのコラボ映画での衣装やデザインのドローイング、そして監督への(❗❗)指示書。そして映画の映像。

そう言えば、『The Cell』観ていなくて、アマプラで前日に鑑賞したので、あぁ、ここの「ぐわーーーー」ってシーンのあれねーーとか思い出しながら映像と指示書を見比べたり、実際の衣装を見たりして生々しかったです。

落下の王国』も最近テレビで見直したばかりですが、大画面だったので、つい全部観ちゃいました🎵

Wikiの年表を見ると、『ニーベルングの指輪』の衣装、ビョークの『コクーン』のMV、『シルク・ドゥ・ソレイユ』の衣装とか、私が「キモっ❗❗」(褒めてます……)と思ってしまう感じのお仕事は全部2002年。。。

ビョークのMVはまず石岡瑛子が描いた絵コンテがとにかくキモかったのですが(この展覧会のポスターにもある)、映像になったらその100倍キモかったですね💧たった5分くらいで凄いインパクト💦

そうそう、ビョークと言えば、当時、一世を風靡した1997年の『ホモジェニック』なんて完全に石岡瑛子って感じだと思ってましたけど、衣装デザインはアレキサンダー・マックイーンでしたね。凄く話題になって一生忘れられないアートワークです。あの頃のアートシーンには不気味さと攻撃性が溢れていたなぁ。ファッション通信も毎週欠かさず観て、テレビの深夜映画も観まくって、アメリカで半年くらい過ごしていた頃でしょうかね、私は。
それから5年経つと、随分と世の中の雰囲気が変わって、なんか私が好きな感じとは違う方向へ世の中が向かっていた様な2002年。(2001年に9.11があったことも大きく影響しているかも知れません。)
2002年の石岡瑛子の製作物のキモさも私が好きな感じとは違う方向へ。。。

さて、前回ちょっと紹介した私が好きな人、山形浩生石岡瑛子展の感想ブログにもありましたけど(昨日、改めて読みに行ったら加筆されてましたよ🎶冒頭の加筆部分は、相変わらず、一部に波紋を起こす日本語の使い方で、愛しい😃)、映画『Mishima』の美術監督から始り、単に衣装デザインを担当とか、そう言う肩書きだった思うけど、その後の映画や衣装の仕事では「もう共同監督では??」とか「本当の演出家は私」??って感じになっていて、『ニーベルングの指輪』の衣装も、衣装観た時点の「うおおお」感を実際のオペラの映像が超えてるかって言うとそうでもなかったのですよね💧
(そう言えば思い出したけど、昔METかなんかのオペラの前衛的演出が過剰だった頃、確か船体みたいな舞台で曲線になってる感じが、八百屋舞台どころか⌒これくらいのカーブを180度回転させた感じの舞台の端に立たせて歌わせてて、役者が踏ん張れない様な舞台で歌を歌わせるな!みたいなこと言ってた人がいたなぁ😅『マダム・バタフライ』の舞台もインフィニティー∞を思わせる感じになっていて、実際かなりの傾斜で歌っていたので映像を見ながらドキドキしました、悪い意味で😅)


そんな石岡瑛子ですけど、これぞ天才演出家・監督とのコラボ❗❗❗❗って思ったのがチャン・イーモウ監督との大仕事、2008年北京五輪の開会式✨

当時もその凄さに「開会式、観て本当に良かった❗❗❗」って思った超ど級の内容でしたが、これも会場の狭いスペースで映像流してましたけど、多くの人が立ち止まっていて、みなさん開会式の演舞に圧倒されていました。
周りから「北京五輪って、こんなに凄かったっけ❗❗❗」と驚きの声がチラホラ。
同じくチャン・イーモウ監督の映画『HERO』の感想でも書きましたけど、とにかく衣装の数が尋常じゃない❗❗❗❗展示されていた、私がとても感動して今も覚えている活版印刷の活字のオブジェを使った漢字の場面で、孔子の門弟に分した3000人(❗❗❗❗❗❗)の衣装がもう布の暈し染めから、たくさんの襞の縫い付けまでよくやった、、、と泣ける内容です😢
あの何万人分の衣装はどうしたんでしょう?記念に持って帰っても良いよ🎵ってなったのか、チャン・イーモウがまた映画に使うかもって持っているのか?まぁ
国が保管してるのでしょうかな。すごい数の移動可能の正方形の太鼓(2008台😱)とかも行方が気になります。

それにしても、『HERO』ではワダ・エミに衣装デザインを依頼したチャン・イーモウ監督。今度は北京五輪と言う数十年に一度のお国を賭けた一大事の大仕事の衣装を日本人で、女性である石岡瑛子にお願いするって、国もよく承知したなぁ。

また年表を見ると、『落下の王国』が2006年(これ映画公開がなので、実際にはかなり前からやっていたと思いますが。)北京五輪が2008年。映画『インモータルズー神々の戦いー』(観てない💧)が2011年で、『白雪姫と鏡の女王』が遺作になって2012年公開か。これもアカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされて、私の記憶にもよく残っています。リリー・コリンズの眉の太さも。。。昨年の6月くらいに『エミリー、パリへ行く』を観ましたけど、全然変わってなかった😅


さて、これで長い長い展示は終わり……かと言うと、そうではなくて。


最後に、まだ高校生だった頃の石岡瑛子が作った絵本(切り絵っぽくも見えた?)が展示されていました。

絵がとても可愛くてカラフルで、とにかくデザインがお話と共に夢いっぱい、希望いっぱいの内容でした。

えこちゃんはこれから世界の色んな所へ行って世界中の美味しいもの食べて、世界へ羽ばたくのよ、Hallelujah❗

って内容でちょっと泣きそうになりました。
あぁ、本当に夢を叶えたんだな、凄いな。世界と戦った、そのとてつもない情熱と才能がすげぇ。。。

 

そして、出口に石岡瑛子の写真が一枚。

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石岡瑛子 1983年 Image by Robert Mapplethorpe ©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.

ずっと、
すげぇぇ、、、怖えぇ、、、男勝りの女(が一番世界で強い)、、、みたい精神的な圧でどんどん押してくる感じでしたが、最後の絵本とこの写真を見て、すべてをいい気分に昇華出来た感じがしました、私はね。


これを企画した方が凄いと思いました。
何故かこんな偉人みたいな人なのに、最後はちょっと自分と重ねちゃったもの。

まぁ、そのあとハンバーグステーキとナポリタンと言う1.5人前のご飯を地下のレストランで食べて、まだ足りなくて、伊勢丹へ移動して美味しいティラミスを食べてコーヒー飲んで、家に着いたのは20時過ぎでした💧

そんな凄い企画をされた学芸員さんにインタビューした記事があったのでリンクしておきます。展示の写真も色々載っています。

www.fashionsnap.com

そして録画した『新 美の巨人たち』でおさらいしようと思います。

それではまた。

あ、そうだ、映画『Mishima: A Life In Four Chapters』のブルーレイ、アマゾンで見つけたので買っちゃいました。
どうか無事、再生できますように😵

おしまい