部屋の模様替えと銀座・和光『ミーリー工房 ペルシャ絨毯展』について

こんばんは😃

実は、私、大学生の時から長いことずっと同じ部屋に住んでいて、景色も良いし大家さんも良い人なので引っ越す気がまったくなく、既に実家に住んでいた年月より、今の部屋に住んでいる年月の方が長くなっています。
(ちなみに、部屋はとても狭いのですが、私の持ち物の量をなんとなく分っている職場の子から『ブラックホールですか😱』と言われました。
(わ❗今思いましたけど、これ、私の人生のテーマ『密室の永遠』に通じるものがあるなぁ。自分が書く小説でも、私と言う人間においても、器としては小さくて限られていても、その中に広がる空間、知識、体験量は永遠の広さと深さを感じさせたい、(能や茶室とかもそうですね。)と創作活動を始めた時に思ったんですよね~。なので私の小さな部屋もブラックホール並みに色々な物が収納されているのか🎵)


しかし、数年前のこと、長く住んでいると生活も色々変わってきて、断捨離ブームをきっかけに、そろそろ模様替えと言うか、大学生の時から使っていた家具とかを全て変えて、それこそ以前言った様にユイスマンスの『さかしま』のデ・ゼッサントの様に自分の趣味を突き詰めた部屋に少しでもしたいと考え出したのですが。。。

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 なんせ、建築物でもゴシックから近現代建築まで幅広く好きなので、いざ部屋のインテリアをどうしようと考え始めると、モダンも良いし、アンティークも良いなと思たのですが、アンティーク一つ取っても、家具の様式はロココ、ゴシック、アールヌーボーとか、そして国も英国(だけでも更に時代分けがある)、イタリア、和家具等、色々あって、それを揃えるか、敢えて混ぜるか。。。あとは、かなり前に美容家の田中宥久子の家や事務所のインテリアを見てとても好きになったメートランドスミス

www.maitland-smith.jp

MAITLAND-SMITH (メートランドスミス)一覧|英国 アンティーク家具|西村貿易

みたいなネオクラシックも良いなぁと思ったり、MoMAにありそうな現代アート系のインテリアも素敵だな、あ、映画『イップ・マン』シリーズみたいな東洋系も美しいよなぁ、と。

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その日から、持ってるインテリアやお城、アンティークの写真集を見たり、私が大好きで集めているウォールストリートジャーナルの別冊にたまについてるニューヨークの超高級物件紹介(部屋の写真のインテリアがどれも凄い😱)の冊子や、フィナンシャルタイムズの冊子『HOW TO SPEND IT』

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現代アート系の雑貨や建築、ジュエリーやファッションが色々載っている。Web版があるのを今回初めて知りました🙌)とかを見まくって色々考えました。

なんせ、私は物が多い、でも部屋は狭い、実は和室で押し入れがある、お金はそんなにない、でも、理想は超高い❗って難しい条件を如何にクリアするか、特に、一番問題なのは、押し入れ(襖は今風の白い壁紙に大家さんが注文して張り替えてくれました。)の外に出してある大量の本やCD、そして巨大サイズのK-POP関連のCDをどうやって収納するかと言う所。
で、友人に相談したりして、色々考えた結果、「和洋折衷」と言う選択肢に至りました。明治時代の洋館の一室みたいな感じ。
それは、畳敷き(または絨毯の)上に、美しいペルシャ絨毯を敷き、素敵なスタンドライトで間接照明にして色の濃い赤茶色系の木の家具を置くこと✨
そう言えば、実家で祖母が使っていたベッドがまさにそれで、ヘッドライトや引き戸付きの収納も付いていて、ベッドの下には抽斗もあるので着物も入る。
おお、この線で行こう❗❗と俄然やる気が出た私は「でも一番重要なのはペルシャ絨毯なのでは???」と言うことに気がついたのです。要はこの部屋の核になる素敵なペルシャ絨毯があれば、その上に置く椅子やテーブルは英でも伊でも和でもモダンでも、様式がいつでも意外といける。
で、問題だった収納は、私が何十時間もかけて探したのに、母が一発でネットで探し当てた前後2段の焦げ茶色の本棚を本以外のCDやブルーレイやアクセサリーなど洋服以外の全てを収納する棚として3つ買い、着々と準備が進んだのですが、、、肝心のペルシャ絨毯については一向にこれと言うのが見つからず😫
これもネットで国内はもとより世界の買えそうな(値段と輸入の観点から)ペルシャ絨毯のHPを見たり、日本橋三越(後日、ビジュアルも値段もパーフェクトなスタンドライトはこちらで見つかりました🙌スタンドはこれが良いけど、傘がイマイチなので、こっちの傘にしてくれると最高なのですが、、、と言う我が儘も聞いてくれました🙇)、新宿伊勢丹銀座三越で取り敢えず値段は度外視として、まずはこう言うビジュアルのペルシャ絨毯が欲しい、てのを色々探したのですが、何故か全然ピンと来る物がなかったのです😞(ちなみに私が探していたのはシルクではなくウールで、よくデパートの広告に載っている、細かい柄がとにかくわらわら~~と言うのではなく、余白の美みたいな雰囲気があって、地色はネイビーがベスト。この地がネイビーで中央のメダリオン柄がないと言うのが所謂一般的なペルシャ絨毯には本当になかった❗)


それで、ある時、この日も母に付き合って貰い、銀座三越ペルシャ絨毯展みたいなのをやっていたので見に行き色々訊いたのですが、確か在庫数は国内一、みたいな感じだったと思うのですが、そもそも展示してある数も少なく、私のイメージしている柄や雰囲気とかを伝えて倉庫にある物も確認して貰ったりしたのですが、お店の人がイマイチ詳しくないと言うか熱がないと言うか、私のイメージが全く伝わらないのですよねぇ😵
産地とかで柄が変わったりとかは当たり前に分かるのですが、最終的に250万円くらいの柄が凄く細かい物を出してきてどうですか?って言われても💧💧
「そうですねぇ、確かに緻密で凄い柄の絨毯ですねぇ、でも、気に入ったのがあればもう最悪値段は良いとしても、さっきから言ってる様にこう言う柄や雰囲気ではなくて、、、」みたいな感じで全然、意思疎通が出来なくて😢
私、ある呉服屋さんで同じ様な体験をしたことがあるのですが、こう言う行き違いって絶対、情報量の違いだと思うのです。見てる(記憶してる)画像の数と言うか範囲の広さの差と言うか。たぶんこのお店の人は自社で輸入している絨毯しか見ていない、そして、古今東西の(文化や歴史の)アンティークや別の会社が作っている世界中の新しい絨毯や、昔のお城の一室の写真の片隅に写っている絨毯とか(と言うか、そこに置いてあるソファやクッション、カーテンの布やタペストリーとかも)絶対見ていないだろうな、と思いました。まぁ、自社製品以外は薦められないのが限界なのかなとは思いますが、とにかく、話していても合致点がまったくなくて、もう見切りを付けるしかないな、と。(ちなみに、その、とある呉服屋さんの場合は倉庫に在庫はたくさんあって意思疎通が簡単な店員さんだと一発でイメージした物が出てくるんですよねぇ。ほんと不思議😓)
で、すっかり意気消沈して三越を出てとぼとぼ歩いていて、たまたま珍しく「和光でお茶でもしよう」と言う話になっていたので、和光に入ろうとしたら、、、入口に「ペルシャ絨毯展」開催中の案内が。。。
そこに飾ってある絨毯が、「私が古いお城とかで見てたのこれだよぉ」と言う歴史や文化が溶け込んだ風合い(オーラとか)や柄の、なんとも美しい絨毯で❗
「お母さん、これだよ❗❗❗私が言ってる『ペルシャ絨毯』ってまさにこう言う雰囲気の絨毯のことだよ❗❗❗❗😫」と泣きそうになりました。
で、「はぁ、和光の上で絨毯展やってるんだね、、、きっとさぞ素敵な絨毯がいっぱいあるんだろうなぁ。和光だから値段も含め未知の世界だけど見てみたいんですが……」とお願いして、母と一緒に和光の上階部へ足を踏み入れました。

 

さて皆様、和光っていらっしゃったことありますか?
私が生まれるずーーーーと、ずーーーーーーーーーーと前から銀座のそこにあるあの瀟洒な建物。1回くらいは、どんなところだろうと昔、見たことがある気がしますが、知らない人には一体どんな物を売っているの?と想像もつかず、足を踏み入れづらい、所謂一般のデパートや百貨店とは規模も雰囲気も一線を画した神秘の商業施設ですよね💦
まぁ、たぶん、基本は、昔からのお付き合いの外商さんがメインなのでは?と思うのですが、実際入ってみると今では結構好きな商業施設になりました、私。
元々は時計店なので1階は時計がメイン。海外ブランドの高級腕時計も置いてありますが、銀座には海外系ブランドの本店が多々あり、なんと言っても時計マニアの聖地「THE HOUR GLASS」があるし、百貨店なのにリニューアルした時計売り場には、ラング&ハイネやモリッツ・グロスマンやBOVETボヴェの垂涎の腕時計が置いてある(今ではそうでもなくなってしまったが……)伊勢丹と比べると、店頭の品揃えは、若干物足りないかも知れませんが、まぁ、今はセイコーの持ち物なので、グランドセイコーとかを買うならここなのでしょうね🎵
ちなみに、少し離れた別館にはインテリア部門がありましたがなくなってしまい、地下に小規模展開されているのですが、以前ほど色々見られる訳ではないので、勿体ないと思っています。

さて、話はやっと戻りペルシャ絨毯の話です。
和光のエレベーターで上階に行くと、私の人生が一変する出逢いがありました。
それは「ミーリー工房」の絨毯との出逢い。。。
ミーリーのペルシャ絨毯と一般のペルシャ絨毯がどう違うかは、「百聞は一見にしかず」なので、この画像検索で是非比べてみて下さい。


一般のペルシャ絨毯

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ミーリー工房のペルシャ絨毯

www.google.com

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(こちらは8月に行われたミーリー工房200周年記念ペルシャ絨毯展のフライヤー)

http://miricollection.com/news/#new-items

(こちらはミーリー工房のHP)

如何でしたか?
まさに、私が求めていたのはこう言う物なのだ、と言う具現化。
これ化学染料ではなく草木染めなのです。それを聞くまで、ペルシャ絨毯に化学染料と草木染めがあってどうこうなんて、考えたこともなかったのですが、まず、私が持っていた違和感はここなのかな。

(そして今、Google検索を見た思いましたが、「ペルシャ絨毯  オールド」で出てくる物はミーリーの様な雰囲気がありますね。)
結局、後で思ったのは、その頃、私は母と共に着物にハマっていて、作家さんが作る草木染めの最高峰の着物をこれでもかと言うくらい見たからか、所謂、なんか違うと思っていた風合いの差が染めの違いなんだな、と。(そう言えば、この日もちょうど母子で着物を着ていました。)
あとは圧倒的にデザインの差ですね。なんかもう凄い威力を感じてしまうのです、私は。なんせ200周年ですしね。
さて、和光の展示会に足を踏み入れてとにかく作品(こう呼ぶに相応しい)に圧倒されていた私ですが、値段はさて置き、重ねてあった絨毯もめくって見せて貰い、藍色地(ネイビーと言うより、藍色と日本語で表現したい)のペルシャ絨毯、それも絶対ないだろうと思っていた、柄は縁取り(ペイズリー模様)のみで、無地の中央には深い深い藍色が広がるのみと言う、諦めかけた理想を遙かに超える一品に出逢えたのです😫
ずっとそう言う絨毯が、世界のどこかにあると何故か信じて疑わなかった私ですが、こうして出逢うことが出来たのです。本当に嬉しい。。。
結局、3時間くらいその場にいたのですが、私の引力と言うか、情熱が凄すぎたのか、その絨毯をなんとか買うに至りました。

それがこちら。(なんか恥ずかしいので写真は小さめにしてみました💧中央の藍になんとも言えない色斑が出ているのが分かりますでしょうか。これは草木染めによる糸で一面を藍色で織ったからこそ堪能出来る美しさなのですよねぇ。嗚呼!)

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ミーリーの何処が凄いかとか、もう一々説明すると、紙幅が全然足りないので、HPをご覧下さい。

http://miricollection.com

そして、気になった方は11月15日から和光で行われるミーリー展200周年の展示会へ是非いらして本物をたくさんご覧下さい。
(和光さんったら毎度ミーリー展についてはなかなかHPに載せてくれないのでリンクがありませんが、15日から23日まで本館の7階(と言っても地下からエレベーターで上がって下さい。)で開催されるのは確実なのでご安心を。)
仮令、値段的にすぐ買うことが出来なくても、今まで見てきたペルシャ絨毯とは絶対違うと思うので必ずご覧になる価値があります❗
(絨毯とまったく同じ厚い生地で出来たクッションも素晴らしいのですよ❗)
そして、ミーリーのペルシャ絨毯を見て、海よりも深い教養をお持ちのソレマニエさんの、尽きることをご存じない素晴らしいお話を聞いて(例えば、イラン映画が好きならその話をしてみるのも良し。私はキアロスタミ監督の『桜桃の味』が人生を変えてくれた映画だと伝えました😌そしたらお互い更に話が長くなりました💧)、すっかりイスラム文化の虜になった私は、自分が小学生の時から青いシェイフ・ロトフォッラー・モスクが好きだったことを思い出し、「なんであんな意匠の素晴らしい絨毯が出来上がるんだろう、イスラム文化を勉強しないと!」と思って友人の古本屋さんで買った本で今更ながら天才・井筒俊彦に出逢いました。

その後の模様替えは???と言う話ですが、絨毯に合う様にスイスのフィスバのカーテンを買い、それから5年経ってスペインのバレンティの小さい椅子を和光で買い、部屋が完成しました。


最初、「和洋折衷」と言ったのですが、シャーロック・ホームズ博物館のシャーロックが住む家の居間みたいな感じがもっと理想に近くて、

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シャーロック・ホームズ博物館より

人に私の部屋の写真を見せたら、かなり近いと言って貰えました。でも、壁は赤じゃなくて、現代の砂壁風抹茶色?なので、やっぱり和洋折衷なのかな。

(ちなみに最近ベッドカバーを赤にしました😌伊勢丹にあるホテルライクインテリアのポルトガル伝統の織り模様が美しい生地。赤が廃盤になるのでセールしていたのです🎵)

ところで、散々ネットで検索したのに(しかも検索においては自信があるのに私💧)、ミーリー工房のHPが出てこなかったのは何故だろう😵
まぁ、私のブログもOnlyOneOfで検索しても全然出てこないので、仕方ないのかなぁ。でも需要がある方に届いて欲しい、この素晴らしさ😫

あ、そうだ、和光にお出掛けの際は、自分が考えうる最上級の恥ずかしくない服装で行くのが賢明です。これで良いかな、と思ってももう一度考え直して、もうワンランク、ツーランクくらいきちんとした格好をしていくと、その場にいづらくなくなるでしょう。
単純に服が高いとかそう言う意味ではなく😄

と言うことで、まぁ、よくもこんな長い話をお読み下さり、ありがとうございました🙇