藤井棋聖、誕生記念 。今更ですが映画『3月のライオン』の感想 。~死ぬまで生きていくために~

こんばんは。

前回の王位戦の興奮から1日の移動日を挟んだ棋聖戦第4局。
見事、藤井七段が勝利を収め、史上最年少のタイトル獲得棋士が誕生しました。

なんだか私にはあっと言う間の出来事過ぎて、即ブログをアップと言う気力がなく、、、

いやぁ、、藤井七段はそんな怒涛の日々を実際に過ごして見事、渡辺3冠から棋聖を勝ち取ったんですよね。たった17歳で。本当に圧倒されました。それなのに会見も落ち着いてるしなぁ。もう藤井七段と呼ぶことはないんでしょうね。
藤井棋聖、本当におめでとうございます。

翌日の師匠・杉本八段の寄稿を読みましたけど、「最初にクリームソーダの食べ方を教えたことやラーメンを一緒に食べたこと」の件で、なんか将棋の指導の話より、こうやって師弟関係を築いていったんだなぁ、と勝手に想像してちょっと涙が出そうになりました。タモリさんの寄稿も良かったです。


それで、先日書いた様にちょうど『3月のライオン』前後編を録画したので、良い機会かなと思い見てみました。
ちなみに私は漫画は読んでいなくて、アニメは見ていたけど、ひなちゃんがいじめの話を川べりで告白する辺りで辛くなって見るのを止めました。元々余り得意な内容ではなかったのもあって。(ちなみに同作者の『ハチミツとクローバー』は単行本を借りて最後まで読みました。ちょっと変わった話だけど、面白いと思いました。)

なので映画は結構、意を決して見始めました。

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一応、あらすじを。
主人公、桐山零は幼い頃、交通事故で家族をなくし天涯孤独の身に。父の友人の棋士に「君は将棋、好きか?」と問われた幼い零はそれが生きるための手段だと思い「はい」と答える。
内弟子に入ることで住む場所を得た零は必死に将棋を学び中学生でプロ棋士になる。しかし師匠の子供たちとのぎくしゃくした関係から家を出る選択肢をとらざるを得なくなる。
学校では一人、それ以外でも孤独な日々を送る零はある日、ひょんなことから同じく父母のいない川本3姉妹に関わるようになり、孤独な日々に変化がもたらされる。
(あらすじ作成は私です。)

前編は、私の記憶にあった様な川本家(実は結構苦手だった)の話は思ったより出てこなくて、零が引き取られた義理の家族の話、特に零に敵意みたいなものを持ってしつこく絡んでくる義姉の存在感が凄く強くて、重くて辛くてイラッともして、零がよく耐えてるなぁ、と言う感想で、やっと物語に集中出来るようになったのは、タイトル戦の挑戦権をかけた戦いで蔵(佐々木蔵之介)演じる島田八段が出てきて、ちょっと雰囲気が変わりだし、伊藤英明演じる後藤九段VS蔵から役者の演技に純粋に引き込まれて物語にも集中出来た気がします。私のうろ覚えの感じでは、アニメよりも棋士の話が多く出てきた様な。それもあって前編の2時間はなんとか見ることが出来ました。

そして後編を見始めたのですが、1分くらいして、ラインが来ていたので携帯を見たら、ニュース速報が入っていて三浦春馬さんが亡くなったことを知りました。一報から40分くらい経った頃でしょうか。

まったくもって、何のことやら、名前は書いてあるのに誰のことやら意味が分からず、状況を理解するまでにちょっと時間がかかりました。

30歳と言う若い年齢やAB型(私もAB型なので。)だと知って、私はすぐSHINeeのジョンヒョンを思い出してしまって、、、才能もあって外見も良くて、その上、すごく努力も出来て、それに伴う評価もたくさん受けていて、仕事もたくさんある。そんな彼がどうして、ってまずは単純にそう思ってしまったのが事実です。

これから書くことは、彼や彼のファンの方には、純粋に彼の辛さや悲しみだけに寄り添ってあげられず申し訳ないと謝っておきます。

それから色々考えたんですが、唐突に思うかも知れませんが、
今、自分がまだ今世を生きていけるかなと考えたとき、私は生きていけると思ったんですよね。
有り難いことにSUPER JUNIORや宝塚、新たに好きになったOnlyOneOfもいて、まだ生きていけるな、って私にそう思わせてくれるエンターテインメントがこの世にはまだたくさんあると思ったのです。
でも、その反面、ジョンヒョンと同じで、彼はそのエンターテインメントを生み出す方にいたんだよな、とも思いました。

自分がやりたくて始めたのか、家族にやれと言われて始めたのか、自分で続けたいと思ってやっていたのか、家族に続けろと言われて仕方なく続けていたのか、報道に何が書いてあったとしても実際のところは本人にしか分からないけど、嫌いなことを続けることは本当に辛くて大変だろうし、自分がやりたくてやってるはずのことを続けるのも、別の意味で本当に大変なことですよね。


戦いに身を置くって本当に辛くて厳しい人生だと思う。

私は音楽を作ったり小説を書いたり絵を描いたり、小さい頃から当たり前にやってきたことを他人が才能があるって褒めてくれてから、色々な原因から今世を生きていくのが本当に辛くて、変な言い方ですけど、死ぬまで本当に生きていけるんだろうかと思いながら、ずっと不安定に生きてきた中で、「もしかして、これって職業に出来るのかな?生きてお金を稼ぐ手段にして、それが自分をこの世に繋ぎ止めてくれる物になるのかな?」と思う瞬間があったけれど、自分一人で好きな様に、誰にも文句(や注文)を言われず職業にするなんて絶対無理なんだなぁ、と言うことが痛いほど分かってからは、ただ好きでやってきたはずのことが本当に辛くてストレスで、でも、その子供の頃から当たり前に楽しくやってきたことを簡単に手放すことも出来なくて、自分で諦めがつくまである程度頑張ってみたけれど、今はすべてを手放して生きているのです。
才能なんかなければ良かったのかな、でもこの世の中には才能がなくても職業としてる人はいる、と感じた瞬間もあったり、それを悔しいって思ったこともありました。その度に、自分は果たして職業にしたいのだろうかと自問したことも何度もありました。

何かと戦ってる人って、ずっとそう言うことの連続ですよね。本当に壮絶な人生だと思います。

私は結局、戦うことを止めちゃって、その代わり、自分で生み出してきた楽しい物づくりも基本的にはすべて手放して、やっぱり生きている限り、人が造り出す芸術や文化の限りを楽しみつくそう!それが死ぬまで生きていくための一番平和で健康的な手段だなと思って、今、色々な芸術にお世話になって生きております。

私のことを知らない人は、「そんなの戦いから逃げただけ、自己満足でしょ」と言うかも知れないし、私をよく知る人は「趣味として楽しみながらやれば良いよ」と言うけれど、やっぱり自分が一番、自分に対して厳しいんですよね。だから、「元の世界には絶対に戻らない」、なんとなくそう言う意志があるし、「もう元には戻れない」、と言うそんな諦めもあります。

まぁ、今回のコロナ自粛でやった様に初めてレジンなんか作り出して、楽しくて今まで体に貯めていたものをアウトプットして、それなりの物を作ったりもしますけど、それも緊急事態宣言下のことですから。
そう言う、他人から見れば一見、矛盾してる世界で一所懸命生きている人が私の他にも少なからずいると思うのです。


映画の話に戻ると、零は、自分は生きるために将棋を選ぶしかなかったと思っていたけれど(だからこそ将棋にどう対して良いか迷ったりして辛かったと思う。)、なんだかまたも疑似家族になりかけてしまっていた川本姉妹との色々な出来事があって、「自分にはもう将棋しかないんだ!」と言う究極の場に立たされて初めて本当の意味で1対1で将棋に向き合うことが出来たんですが、そんな零をずっと見てきた義父である師匠は「零は将棋が好きなんだと思うよ」とそっと優しく伝えてあげるんですよね。豊川悦司のあの声で。そうしてやっと素直に将棋を受け入れられる様になり、これからも勝負の世界で戦いながら生きていくんだ、と言う感じの内容でした。

映画は全部で4時間半くらい、辛くて重いシーンもなんとか早送りせず最後まで見られたのは「ちゃんと話が出来ていた」からだと思います。
原作のファンの方からすれば、あのシーンがないとか、端折りすぎて、原作で描かれている心の機微が削られたとか言う意見もあるようですが、そこを想像力で補える人には、ちゃんとした作品だと思えました。

戦いを止めるには自分で止めるしかない。それがどんな手段であろうとやっぱり決めるのは自分。
戦いを続けるのも最終的には自分の意志しかない。

藤井棋聖は、宇宙みたいに奥深い将棋の世界で宇宙みたいな頭脳を駆使して、これからも戦って行くのでしょうね。
OnlyOneOfが身を置いた世界も厳しいショービズの世界。売り上げとか順位とかやがて勝敗をつけられる時が来るかも知れないけど、長くいっぱい楽しんで欲しいです。
そんな世界で戦いながら私を楽しませてくれる皆を心から応援しております。